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2022 Fiscal Year Research-status Report

Investigation of the cause of mental illnesses using model mice with early-life and adolescent stress

Research Project

Project/Area Number 21K07343
Research InstitutionKobe Pharmaceutical University

Principal Investigator

安宅 弘司  神戸薬科大学, 薬学部, 特任助教 (30563358)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 富原 一哉  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (00272146)
浅川 明弘  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10452947)
岩井 治樹  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (30452949)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords心身症 / 幼少期ストレス / 思春期ストレス / 脳・骨髄相関 / 摂食障害 / いじめ関連ペプチド
Outline of Annual Research Achievements

思春期は心の病が発症しやすく、いじめ、認知のゆがみ、うつ、不安、摂食障害による精神的身体的QOLの低下がおき、自殺企図の増加が問題となっている。本研究では心の病の発症機構を解明するあらたな切り口として、慢性ストレス刺激により脳内に浸潤する骨髄由来細胞による脳・骨髄相関に着目する。本年度の研究によって以下のことが判明した。
1)いじめ被害者モデルマウスとして、攻撃性マウスからの攻撃を受けさせる社会的敗北ストレス負荷マウスを作成した。社会的敗北ストレスモデルマウスについて攻撃性マウスへの探索時間(社会性)を評価したところ、非ストレス群と比較して探索時間が長いマウス(耐性群)と短いマウス(脆弱性群)の2グループに分かれることが確認できた。さらに、耐性群と脆弱性群で摂食行動が異なっていた。それぞれの群の中枢性摂食関連ペプチド(7種類)の発現は非ストレス群と変化しており、耐性群と脆弱性群間においてもその発現パターンが異なっていることが判明した。
2)社会的敗北ストレス負荷マウスでの耐性群と脆弱性群の両方に情動行動の変容が認められた。
3)いじめ加害者モデルマウスとしての単独飼育誘発攻撃性惹起モデルマウスにおいて、攻撃性行動の惹起を確認するとともに情動行動が変容していることがわかった。さらに、中枢性摂食関連ペプチド(7種類)の発現は、対照群としてのペア飼育マウスとは異なっていることがわかった。
4)われわれの先行研究で情動行動を変化させる骨髄由来細胞の脳内への浸潤が確認できているコミュニケ―ジョンボックスによる心理ストレス負荷マウスにおいて、非ストレス群と比較して摂食量が変化し、骨髄由来細胞の親細胞と考えられる骨髄内造血系幹細胞が変化していることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

いじめ被害者モデルである社会的敗北ストレスモデルマウスにおいて、攻撃性マウスに対する社会性(探索行動)を指標とした評価において、耐性群(暴力を受けても暴力加害者に依存してしまう)と脆弱性群の2グループが存在しており、それらの摂食行動と中枢性摂食関連ペプチド発現が異なることが分かった。興味深いことに、両群とも同様な情動行動の変容が認められたことから、いじめ被害者、加害者とも心の病が存在していることが示唆できた。いじめ加害者モデルである単独飼育誘発攻撃性惹起モデルマウスにおいて、摂食行動、中枢性摂食関連ペプチド発現、情動行動がペア飼育マウスと異なることが分かった。いじめ被害者モデルマウスといじめ加害者モデルマウスでは、情動行動の変容と摂食関連ペプチドの発現に共通しているものが観察できた。摂食関連ペプチドと情動行動には密接な関係が報告されていることから、いじめ被害者と加害者での心身症において共通した発症機構が存在している可能が示唆できた。一方、いじめ加害者モデルで特徴的な摂食関連ペプチドについては攻撃性惹起に関連しているかもしれない。われわれの先行研究において、心理ストレスが骨髄由来細胞の脳内浸潤を誘発し情動行動を変化させることを示したが、心理ストレスによってこの骨髄由来細胞の親細胞である造血系幹細胞が変化していることが判明し、心理ストレスにおける脳からの情報伝達によって骨髄ニッチ環境が変化する可能性が示唆される。

Strategy for Future Research Activity

本研究で判明した摂食関連ペプチドの受容体拮抗剤または作動薬をいじめ被害者モデルと加害者モデルへ脳室内投与し、その摂食行動および情動行動変容の改善を指標として、いじめ関連ペプチドを同定する。また、母子分離ストレスといじめ被害者、加害者モデルを組み合わせ、幼少期ストレスの思春期でのストレスに対する情動行動への影響を検索する。またこれらのモデルにおいて骨髄由来細胞および造血系幹細胞についても検索する。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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