2023 Fiscal Year Research-status Report
サルコペニア・動脈硬化・認知機能低下の新規治療標的としてのAGEsの探究
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21K07390
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
越智 雅之 愛媛大学, 脳神経内科・老年医学講座, 准教授 (80648171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 陽子 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師(病院教員) (00435025)
大八木 保政 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30301336)
伊賀瀬 道也 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (90314955)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サルコペニア / 終末糖化産物 / フレイル / 認知機能低下 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に引き続き、研究参加者の皮下AGEs蓄積量をAGE-Reader(DiagnoOptics社製品)を用いて測定した。並行して、これまで収集した抗加齢・予防医療センターの臨床データを用いて、インスリン抵抗性(HOMA-IR)・分泌低下(HOMA-β)などの糖・インスリン代謝変化、サルコペニア(握力・大腿筋横断面積)・フレイル(SF score)・動脈硬化症(baPWV)・認知機能(MCIscreen・タッチパネルスコア)と皮下AGEs蓄積量との相関を現在得られているデータで本解析した。SAFと相関する単独指標および組合せを検討し、SAFと各指標間のPearson解析を行い、単相関を検討した。その後、有意な単相関関係のみられた指標を用いて多変量解析を行い、SAF高値に関する独立した因子を同定した。SAFと認知機能、フレイルの関連について男女差を含めた有意な知見が得られたため、学会発表した。現在、論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集の目途は達成しており、予備的解析後に本解析を行った。有意な知見が得られたため学会報告を行った。論文作成し、投稿準備段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
横断的解析:計画4年間のうち、最初の1~2年で約400例のデータを追加収集・解析し、SAFとの相関を解析した。これまでの約600例で得られた初期解析では、男性においてSAFと年齢(r = 0.434)、握力(r = -0.316)、タッチパネルテストスコア(r = -0.170)などと有意な相関を認めている。さらにインスリン代謝との関係などについても解析を行う。 縦断的解析・介入研究:後半の2~3年で、リピーター約150例の再検査を行う。対象者の運動習慣・食事内容・睡眠時間などの生活習慣と上記指標の相関を解析し、特にSAF上昇(AGEs蓄積)の促進・抑制因子を解析する。その中間解析の結果を踏まえて、さらにAGEsを標的とする介入研究として、同意が得られる対象者に運動習慣・食事内容・睡眠時間などの指導を行い、3ヶ月~半年程度でAGEs蓄積と臨床指標の改善効果を検証する。以上の解析により、皮膚AGEs蓄積レベルが老年病のサロゲートマーカーとして妥当か、AGEs蓄積を抑制する生活習慣因子の解析、サルコペニア・MCIの治療標的としてのAGEsの可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による学会出張の減少や物品調達の遅延によるもの。次年度分ととともに、論文校正費、論文投稿費、論文掲載費、追加解析に必要な物品調達に活用予定。
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Research Products
(5 results)