2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規に同定されたマイオカインを介した動脈硬化、NASH抑制効果の検証
Project/Area Number |
21K07395
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大西 俊一郎 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (60894805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 稔 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (60447307)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マイオカイン / NASH / NAFLD |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣の欧米化に伴い、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患の罹患率は増え続けており、 常に我が国の死因の上位を占めている。動脈硬化は血管壁における慢性炎症に伴い、脂質の 異常蓄積によって生じる。さらに脂質の肝臓への蓄積する病態に、非アルコール性脂肪肝が あり、時に炎症(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH))が慢性化し、肝硬変、肝がんを生じる。脂肪肝からNASHまでを含む一連の肝疾患(NAFLD)の罹患者は1,000万人以上であると推定されており、動脈硬化とともに、その予防法や治療法の開発は喫緊の課題である。本研究の目的は我々が同定した骨格筋衛生細胞から分泌される因子 R3h domain containing like (R3hdml) の脂肪肝・脂肪肝炎や動脈硬化に対する効果を検証することである。近年、骨格筋から 分布される因子はマイオカインと称され、全身の代謝に影響を及ぼすことが明らかになっている。R3hdmlは骨格筋の発達時や再生時に発現が増加し、筋衛星細胞の分化・増殖を促す因子として我々が同定して。さらに、R3hdmlの欠損により肝臓における脂質代謝に異常をきたすこと発見した。本研究を通じて脂質代謝関連疾患である、脂肪肝・脂肪肝炎や動脈硬化 に対するR3hdmlの新たな機能を明らかにし、R3hdmlを用いた脂肪肝・脂肪肝炎や動脈硬化の治療法開発へとつなげる基盤研究としたい。昨年度はR3hdmlノックアウトマウスの肝臓における表現型解析を行った。今年度はさらにR3hdmlの臨床的意義を検討するため慢性腎臓病患者300人の血中R3hdml濃度ならびにR3hdml抗体を測定し、肝繊維化マーカーであるFib-4 indexとの関連を検討した。
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