2023 Fiscal Year Research-status Report
補中益気湯の免疫チェックポイント阻害剤による自己免疫性副作用発現の予防効果の解析
Project/Area Number |
21K07398
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
遠藤 真理 北里大学, 薬学部, 助教 (60296829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清原 寛章 北里大学, 感染制御科学府, 教授 (70161601) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害剤 / Tリンパ球活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗PD-1抗体などの免疫チェックポイント阻害剤は、攻撃型Tリンパ球機能の人為的賦活化作用により、がん特異的Tリンパ球に加え、生体に常在する自己反応性Tリンパ球も活性化してしまい、自己免疫性の副作用症状を引き起こすことが明らかとなってきている。これらの副作用発現の回避には体内の自己反応性Tリンパ球の可能な限りの除去が必要となると考えられるが、これまでにこの様な作用を示す薬剤の開発やモデル動物の開発は行われていない。 そこで、本研究では、マウスにおける免疫免疫チェックポイント阻害剤としての抗マウスPD-1抗体とT細胞の共受容体CD3に対する抗CD3抗体からなる抗体カクテルをマウスへ投与し、自己反応性Tリンパ球も含めたTリンパ球の異常活性化と自己免疫性の副作用様症状として特に重篤で臨床での割合が多い消化管の穿孔や間質性肺炎に相当する様な小腸粘膜炎症や肺炎症が惹起されるのか否かを検討した。その結果、本抗体カクテルを投与することで、小腸の炎症や肺炎症が惹起出来ることを明らかとし、その症状の程度は加齢により増悪することを確認した。 加えて、15と20週齢のマウスでの比較で、抗体カクテル単回投与により、BALB/cマウスの方がC57BL/6マウスよりも小腸粘膜炎症と肺炎症が増悪する可能性を認めた。さらに高週齢のリタイアのBALB/cマウスに抗CD3抗体と抗PD-1抗体を併用した抗体カクテルを投与することで、小腸粘膜炎症や肺炎症が再現性良く惹起されるモデルを作製できる可能性を示したことから、白朮配合補中益気湯の有効性を検討できるモデルとなることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の流行による在宅ワークへの切り替えや、研究分担者の退職、研究者代表者の研究実施場所の変更やその他の業務の多忙により、当初計画の遅延が起こっている為。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫チェックポイント阻害剤としての抗マウスPD-1抗体と抗CD3抗体からなる抗体カクテルのマウスへの投与で惹起される小腸粘膜炎症や肺炎症に対する白朮配合補中益気湯の有効性を検討するとともに、その作用機序の解析を試みる。
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Causes of Carryover |
感染症の流行による在宅ワークへの切り替えや、研究分担者の退職、研究代表者の研究実施場所の変更やその他の業務の多忙により、当初計画の遅延が起こっているため。
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