2023 Fiscal Year Annual Research Report
悪性リンパ腫におけるT細胞受容体レパトアと免疫微小環境の解析
Project/Area Number |
21K07407
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Hospital Organization Tokyo Metropolitan Komagome Hospital |
Principal Investigator |
金政 佑典 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 腫瘍内科, 医長 (30868633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 達 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 腫瘍内科, 部長 (70450591)
大保木 啓介 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医学研究センター, 副参事研究員 (80415108)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 腫瘍免疫微小環境 / T細胞受容体レパトア |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍の免疫微小環境は、臨床転帰や治療効果に影響を及ぼすことが示されている。免疫プロファイルに基づく予後指標を開発するために、われわれはThe Cancer Genome Atlas(TCGA)のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)のRNA-seq生データを再解析し、TCGAの以前の大規模研究を利用した。T細胞受容体(TCR)の多様性が低い患者は、多様性が高い患者よりも無増悪期間(PFI)が有意に良好であった(TCRα:P = 0.048、TCRβ:P = 0.027)。TCRの多様性は、特に多様性が狭いものでは、シーケンスリードの数に強く影響された。TCRシーケンシングリードの数が少ない症例におけるTCR多様性の過小評価を克服するために、関連するT細胞サブセットの含有率とTCR多様性の組み合わせを試みた。TCR多様性は、CIBERSORT由来の制御性T細胞(Treg)仮想分画と関連した。Treg割合とTCR多様性の組み合わせは、最も短いPFIを有する患者を層別化することに成功した(P = 0.002)。仮想Treg分画の代用として、TCR多様性に関連する免疫関連因子を探索した。ロジスティック回帰モデルを用いて、最終的に2つの遺伝子を選択し、仮想Treg分画を説明するスコアリングシステム(「TICKスコア」)を開発した(ROC曲線下面積:0.849、95%CI:0.731-0.967)。TICKスコアが低く、TCR多様性が高い患者は、他の組み合わせに比べてPFIが非常に短かった(P = 0.012)。TCR DIとTICKスコア/仮想TCRスコアの組み合わせは、PFIを有意に短縮した(P = 0.012)。
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