2022 Fiscal Year Research-status Report
線条体神経細胞の異常可塑性が遅発性ジスキネジアの原因か?
Project/Area Number |
21K07410
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
冨山 誠彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (40311542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 崇志 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (00880014)
山田 順子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (30334965)
森 文秋 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (60200383)
西嶌 春生 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90858177)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 線条体神経細胞 / 直接路神経細胞 / GABA |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、遅発性ジスキネジアモデルを作成し、線条体の神経就職物質である、エンケファリン、ダイノルフィン及びスブスタンスPをウェスタンブロットにて検討し、同モデルで、コントロール群に比べ、エンケファリンだけでなくダイノルフィン及びスブスタンスPの発現増加を確認し、本病態に従来提唱されていた関節路神経細胞の異常だけでなく、直接路神経細胞の異常が関与していることを示している。 遅発性ジスキネジアは基底核の出力核である淡蒼球内節への脳深部刺激術で改善することが知られている。すなわち、他のジスキネジアをはじめとする不随意運動同様に、淡蒼球内節にその発生起源があることが推定される。そこで今年度は、遅発性ジスキネジアモデルラットを作成し、線条体神経細胞の淡蒼球内節における神経終末の携帯を計測した。コントロール、軽度遅発性ジスキネジア発現群及び重度遅発性ジスキネジア発現群の3群間で、淡蒼球内節における線条体神経細胞の神経終末を電顕にて観察し、終末の面積と神経終末内のシナプス小胞の密度を計測した。神経終末面積とシナプス小胞密度はコントロール<軽度群<重度群であることが有意差を持って確認された。これらの結果は、おそらく遅発性ジスキネジアモデルではGABA性の線条体直接路神経細胞の神経終末のGABAを多く含んだ拡大を示すものであると彗星される。したがって、従来提唱されていた関節路の異常だけでなく、直接路の以上も、遅発性ジスキネジア発現には重要な役割を果たしていることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、直接路神経細胞の異常を形態的に捉えることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は肥大した神経終末が直接路神経細胞の週末であることを同定するために、免疫電験を施行する所定である。
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Causes of Carryover |
抗体を購入するための費用を準備していたが、すでに所持していた抗体を使用したため、当該年度には購入しなかったため。次年度に新たに抗体を購入予定でいる。
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Research Products
(1 results)