2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of new biomarkers that can distinguish neurodegenerative diseases based on the detection method of protein amplification assay
Project/Area Number |
21K07417
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 克也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70398147)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 蛋白増幅法の検出法 / 神経変性疾患 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
特有の領域の神経系統が侵され、神経細胞を中心とする様々な退行性変化を呈する疾患群である神経変性疾患は異常蛋白が蓄積する。異常蛋白は蛋白分解酵素で分解されずにミスフォールドタンパク質として凝集を形成する。神経変性疾患の診断は臨床症状と画像診断に依存していたが、髄液を含めた生体材料から異常蛋白を検出する事が可能となれば第3の神経変性疾患の診断法となりえる。2011年よりプリオン病患者で異常蛋白増幅法を成功し、2015年レビー小体病の髄液から異常蛋白増幅法にも成功した。本研究は異常蛋白増幅法を利用し、神経変性疾患患者の生体材料からの神経変性疾患の特異的な異常蛋白の検出を本研究の目的とする。現在まで神経変性疾患の診断法は臨床症状と画像診断のみである。髄液を含めた生体材料から異常蛋白を検出する事が可能となれば第3の神経変性疾患の診断法となりえる。本研究課題は神経変性疾患患者の髄液を含んだ生体材料からの原因物質の検出を目的とする。 2021年度に関してはリコビナント蛋白の精製法の確立にあて、レビー小体存在下と非存在下でのアミロイド形成反応を比較し、異常シヌクレイン検出系を完成させた。つまりαシヌクレインを用いた異常シヌクレインQUIC法を確立した。ヒトシヌクレイン遺伝子のクローニングを行い、大腸菌発現ベクターに組み入れ、大腸菌での大量合成と蛋白精製を行った。種々の条件下でシヌクレイン蛋白の構造変換、アミロイド形成を観察した。レビー小体存在下、非存在下でのアミロイド形成反応を比較し、異常シヌクレイン検出系を完成させた。研究代表者はプリオン病を含む多様な認知症状を呈する神経疾患の髄液検体を5000人分以上保管しており、本検査を当教室にて施行した。感度は75%で特異度は80%であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究を成功させる上でのキーポイントはリコビナント蛋白の精製とQUICする条件(PH、温度、NaCl濃度)である。まずは2021年リコビナント蛋白の精製法を確立した。 しかしながら2021年新規論文ではシヌクレインQUICにてパーキンソン病と多系統萎縮症にて鑑別することができるという内容があり、次年度に次世代シヌクレインQUICの開発を始める。現在次年度に予定した計画以上に進んでおり、当初予定していた計画よりも進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.リコビナント蛋白の精製法の確立:本研究を成功させる上でキーポイントはリコビナント蛋白の精製とQUICする条件(PH、温度、NaCl濃度)である。2022年でシヌクレイン蛋白以外のリコビナント蛋白の精製法の確立に当てる。 2.TDP-43を用いた異常型TDP-43検出法の確立:ヒトTDP-43遺伝子のクローニングを行い、大腸菌発現ベクターに組み入れる。大腸菌での大量合成と蛋白精製を行う。又TDP-43患者脳をbrain bankより入手し、超遠心法により異常型TDP-43の精製を行う。さらに種々の条件下でTDP-43蛋白の構造変換、アミロイド形成を観察する。TDP-43存在下・非存在下でのアミロイド形成反応を比較し、異常TDP-43検出系を完成する。 3.タウ蛋白を用いた3Rタウ蛋白と4Rタウ蛋白の検出法の確立と鑑別:ヒトタウ遺伝子のクローニングを行い、大腸菌発現ベクターに組み替えを行う。腸菌での大量合成と蛋白精製を行う。精製したヒトタウ蛋白の構造を解析する。3Rタウ検出用のリコンビナント蛋白と4Rタウ検出用のリコンビナント蛋白は構造と蛋白発現が全く異なる。そのため2種類のタウ蛋白の精製が必要である。種々の条件下でタウ蛋白の構造変換、アミロイド形成を観察する。タウ蛋白存在下、非存在下でのアミロイド形成反応を比較し異常化した3Rタウ蛋白と4Rタウ蛋白検出系を完成させる。
|
Causes of Carryover |
消費税と原価・単価の変動にて18円誤差が生じている。2022年度に繰り越した経費はこの実験の消耗品の購入に充てる予定である。
|
-
-
-
-
-
[Journal Article] Biomarkers and diagnostic guidelines for sporadic Creutzfeldt-Jakob disease2021
Author(s)
Peter Hermann, Brian Appleby, Jean-Philippe Brandel, Byron Caughey, Steven Collins, Michael D Geschwind, Alison Green, Stephane Haik, Gabor G Kovacs, Anna Ladogana, Franc Llorens, Simon Mead, Noriyuki Nishida, Suvankar Pal, Piero Parchi, Maurizio Pocchiari, Katsuya Satoh, Gianluigi Zanusso, Inga Zerr
-
Journal Title
The Lancet Neurology
Volume: 20
Pages: 235~246
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-