2022 Fiscal Year Research-status Report
血清αシヌクレインシードに着眼したシヌクレイノパチーの病態解明と新規治療法の開発
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21K07424
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
波田野 琢 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (60338390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 真一 順天堂大学, 医学部, 助教 (40875944)
奥住 文美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90826075)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 多系統萎縮症 / シヌクレイノパチー / α-シヌクレイン |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度はレビー小体型認知症(DLB)10症例、REM睡眠行動異常症(RBD)11症例についても血清から免疫沈降法とRT-QuICを併せて(IP/RT-QuIC法)血清からのα-シヌクレインシードの検出を行った。DLBではPDと同様に高率に検出されるが、RBDの場合、陽性率は低かった。ただし、RBDで陽性になった症例はダットスキャンが低下している症例であり、さらに1症例は縦断的に検査をして経過とともに陽性となった。つまり、この方法は発症を予測できるマーカーである可能性が示唆された。また、当院でのセカンドコホート(PD34症例、多系統萎縮症;MSA6症例、コントロール9症例)並びにルクセンブルクとの共同研究による海外の外部コホート(PD20症例、MSA15症例、進行性核上性麻痺6症例、コントロール20症例)について検討を行い、シヌクレイノパチーは陽性率が高いことが示唆された。剖検による診断確定症例ではPDでは全症例に血清α-シヌクレインシードが検出され、α-シヌクレインが蓄積していない症例では全例検出はされなかった。患者血清由来α-シヌクレインシードの伝播様式を解析するため、IP/RT-QuICで増幅し得られたシードをマウス脳内へ注入した。PD、MSA患者由来のシードについて検討を行い、それぞれの疾患で伝播が異なることを明らかにした。上記の結果について現在Nature Medicine誌に投稿しリバイス中であり、令和5年度は論文アクセプトを目指す。また、パラビオーシスモデルに対して蛍光量子ドットでラベルしたα-シヌクレインシードを全身投与して、in vivo 発光・蛍光イメージングシステム (IVIS)を用いてシードの全身への分布を確認した。R5年度はパラビオーシスがシードを除去できるか検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標に掲げた、IP/RT-QuIC法によるシヌクレイノパチーの診断技術について確立し、最終年度以内に論文アクセプトの目処が立っている。病理学的に確定診断された症例に対して、全身臓器の取得は終わっており、解析を開始し最終年度までに論文を準備できる目処が立っている。パラビオーシスについても評価系が構築されつつあり、本研究での目標達成に向けて十分に進められていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度はリバイス中の論文がアクセプトされるように追加解析を行う。 また、病理で得られた全身臓器についてα-シヌクレインシードの解析を行う。さらにパラビオーシスモデルについてα-シヌクレインシードの分布を検討し、パラビオーシスを行っていないマウスと比較して全身への分布を抑制できるか検討を行う。
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Causes of Carryover |
令和4年度は当初の計画より、研究が高率的に進行したため使用額を次年度へ繰り越した。令和5年度は学会などで研究成果を報告する必要があり、その資金として活用することを予定している。
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Research Products
(6 results)