2023 Fiscal Year Research-status Report
温度感受性受容体を標的とした多発性硬化症環境因子の解明
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21K07435
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 允 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師(常勤) (10573222)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 温度感受性受容体 / EAE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、MS動物モデルおよび遺伝子改変マウスを活用することでThermal Immunityと中枢性自己免疫疾患の病態関与を明らかとすると同時に、MS患者の血球および血清バンクを解析することで、温度ストレスとMS免疫動態を解明することを目標としている。低温刺激ではリンパ球分化の変化が生じ、低温ストレスにてIFN-γ陽性細胞がTh1分化条件下で著増することが明らかとなっており、網羅的トランスクリプトーム解析でも網羅的遺伝子変化の変調を捉えることができた。低温ストレス下で培養したTh1細胞の網羅的RNA-sequenceにて炎症促進に関与する遺伝子群の発現量が増加することが明らかとなっている。さらには、TRPV4温度感受性受容体欠損マウスを使用することにより自己免疫性脳脊髄炎の臨床的症状の差が生じることが明らかになっている。TRPV4欠損マウスにてEAEの症状改善が見られることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究進捗は当初の計画どおりに進行しており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた知見をもとに、温度感受性受容体および外的温度変化がヒト免疫細胞に与える影響を解析する。
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Causes of Carryover |
ヒトリンパ球研究の解析に追加研究が必要となったため、次年度にて完了する予定である。
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