2022 Fiscal Year Research-status Report
新規イントロンリピート病CANVASの病態解析モデルの構築
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21K07440
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 章景 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30378012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 宏 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10326035)
竹内 英之 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30362213)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CANVAS / RNA foci / RAN translation |
Outline of Annual Research Achievements |
Cerebellar ataxia with neuropathy and vestibular areflexia syndrome(CANVAS)は小脳失調、末梢神経由来の感覚障害、前庭神経障害を三主徴とする常染色体潜性(劣性)遺伝性疾患で、近年、RFC1イントロン領域のAAGGGまたはACAGGリピート配列の両アレル性異常伸長により発症することが報告されている。本年度は、遺伝学的に確定診断されたCANVASの病理学的特徴を評価した。両アレル性AAGGGリピートの異常伸長を有し、典型的な三主徴を呈した86歳女性および両アレル性ACAGGリピートの異常伸長を有し、三主徴に加え臨床的に運動神経障害を認めた83歳女性の2剖検例を対象とし、脳、脊髄、後根神経節、末梢神経を含めた病理学的検討を行った。両症例に共通する所見として、Purkinje細胞の消失、後索の変性、腓腹神経の大小有髄線維の消失、大腿神経の小線維を主体とする有髄線維の消失を認めた。また遺伝学的診断されたCANVAS症例としては初めて後根神経節の神経細胞の喪失とNageotte結節が確認された。前庭神経核の変性はAAGGGリピートを持つ症例でより顕著である一方、クラーク柱と下オリーブ核の変性はACAGGリピートを持つ症例でより重度であるなど、一部の神経細胞においては、両症例間で障害部位の差が認められた。もっとも顕著な相違点として、ACAGGリピートを持つ症例でのみ前根の萎縮と前角運動神経細胞の消失が観察された。また、疾患特異的RNA結合タンパク質解析、RANT産生ペプチドの凝集性の検討のためのベクター作成をすべて終了し、解析に取りかかっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特にAAGGGおよびACAGGリピートという異なるリピート伸長を有する剖検例を解析できたことは,今年度の予想以上の成果であった.今後の新たな解析においても,剖検例は重要な検証材料になると考えている.また,in vitroの実験についても,基本的な準備は,ほぼ終了することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果により、AAGGGおよびACAGGリピート伸長例の病理学的所見が明らかとなり、両者に違いがみられることが明らかとなった。さらに、この剖検例を用い、昨年度に明らかにした培養細胞での実験でのRNA foci形成が、実際にヒトでも認められるかどうかを検証していく。また、すでに開始している病態関連RNA結合タンパク質の検索に加え、repeat-associated non-AUG translation (RANT) を誘発することで産生されるポリペプチドリピートタンパク質(PPRs)についての実験を進めていく。(GFP or Halo)- ((AAGGG)n/(CCCTT)n、(ACAGG)n/ CCTGT)n)、(AAAAG)n(対照)を発現させた細胞から産生されるHalo-PPRsを精製し、K2HPO4/KH2PO4バッファーに溶解し、分子クラウダーとしてのポリエチレングリコールなどを加えることにより、in vitroでliquid-liquid phase separation (LLPS)発生の有無を検討する。次に、HeLa細胞を用いPPRsの細胞内局在を詳細に検討する。さらに、核小体自体もLLPSにより生じるmembrane-less organelleであり、NPM1とrRNAの相互作用によりdropletを形成しているが、これに対してPPRsが濃度に応じてこのdropletを破壊していくかどうかをin vitroで検証することで、CANVASにおける核小体機能障害を示したい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたが、これは新型コロナ感染症の影響で、各種学会がオンライン開催となり、旅費の使用がなかったことなどに起因している。次年度に予定しているliquid-liquid phase separation (LLPS)解析において、当初より費用がかかることが明らかになったので、次年度使用額はその費用に充てることを計画している。
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[Journal Article] Rapid and comprehensive diagnostic method for repeat expansion diseases using nanopore sequencing.2022
Author(s)
Miyatake S, Koshimizu E, Fujita A, Doi H, Okubo M, Wada T, Hamanaka K, Ueda N, Kishida H, Minase G, Matsuno A, Kodaira M, Ogata K, Kato R, Sugiyama A, Sasaki A, Miyama T, Satoh M, Uchiyama Y, Tsuchida N, Hamanoue H, Misawa K, Hayasaka K, Sekijima Y, Adachi H, Yoshida K, Tanaka F, Mizuguchi T, Matsumoto N.
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Journal Title
NPJ Genom Med.
Volume: 7
Pages: 62
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Repeat conformation heterogeneity in cerebellar ataxia, neuropathy, vestibular areflexia syndrome.2022
Author(s)
Miyatake S, Yoshida K, Koshimizu E, Doi H, Yamada M, Miyaji Y, Ueda N, Tsuyuzaki J, Kodaira M, Onoue H, Taguri M, Imamura S, Fukuda H, Hamanaka K, Fujita A, Satoh M, Miyama T, Watanabe N, Kurita Y, Okubo M, Tanaka K, Kishida H, Koyano S,----- Tanaka F, Mizuguchi T, Matsumoto N.
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Journal Title
Brain
Volume: 145
Pages: 1139-1150
DOI
Peer Reviewed