2022 Fiscal Year Research-status Report
本邦における脳梗塞関連遺伝子座と臨床的特徴に関する検討
Project/Area Number |
21K07445
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
下山 隆 日本医科大学, 医学部, 講師 (00509325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和美 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00388927)
鎌谷 洋一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00720880)
山口 博樹 日本医科大学, 医学部, 大学院教授 (90297937)
松田 浩一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90401257)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳血管障害 / ゲノム解析 / BBJ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はバイオバンク・ジャパン研究事業に登録された約20000例の脳梗塞症例における疾患関連遺伝子座と臨床情報を多角的に分析することを目的としている。 本研究では対象を大規模集団、中規模集団、小規模集団に分けて各集団で独自のエンドポイントを設定して研究課題を遂行することにした。 大規模集団の検討では、バイオバンク・ジャパンで得られたビックデータを最大限利用することを目的とする。バイオバンク・ジャパンでは既に脳梗塞・虚血性心疾患15058例の基本臨床情報を元にした生存分析解析(全死亡・心血管死)が行われているが、血管障害関連遺伝子のゲノタイプ情報を加味した生存分析解析は行われていない。この検討では、生存分析を終了した脳梗塞症例の疾患感受性遺伝子と全死亡もしくは心血管イベントによる死亡をエンドポイントした解析を行う。 中規模集団の検討では、脳梗塞病型と関連のある遺伝子座(アテローム血栓性脳梗塞:EDNRA・HDAC9-TWIST、心原性脳塞栓症:PITX2など)と頭部MRI画像所見、脳梗塞重症度、頸動脈エコー、治療内容、再発イベントなどの因果関係を検討する。日本医科大学関連施設でバイオバンク・ジャパンに検体を提供した脳梗塞症例は1000例前後である。中規模集団の検討は日本医科大学関連施設に登録した脳梗塞症例に対象を絞り、画像や神経学的重症度などの詳細な臨床情報を収集する。 小規模集団の検討として、遺伝性小血管病であるCOL4A1/COLA4A2関連疾患の遺伝子変異に着目した。バイオバンク・ジャパンではCOL4A1/COLA4A2関連遺伝子に特異性の高いSNPsを解析している。これらの変異を有する症例を対象に、検体を提供した施設に詳細な臨床情報のアンケート調査を行う。 現在大規模集団の解析を行っており、現在統計解析作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床データの解析で脳梗塞患者における悪性腫瘍の合併頻度と危険因子に関する性特異的相違について検討した。本解析結果は国際学会(International Stroke Conference 2023)と国内学会(Stroke 2023)で発表した。本発表はStroke 2023の優秀ポスター賞に採択された。 またゲノムデータ解析も終了しており、現在臨床データとの統合作業もおおむね終了しており論文執筆に向けてデータの最終確認を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中に大規模集団の解析に関して論文作成を進めていくと共に中規模集団のデータ収集も進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で学会現地参加ができず使用額の使用が予想より少なくなったため。
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