2023 Fiscal Year Research-status Report
動的眼球運動解析による新しい転倒リスク評価法の開発
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21K07451
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Research Institution | Yokohama Brain and Spine Center |
Principal Investigator |
城倉 健 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(臨床研究部), 臨床研究部, 研究員 (20244452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中居 康展 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(臨床研究部), 臨床研究部, 研究員 (40535069)
山本 良央 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(臨床研究部), 臨床研究部, 研究員 (40837481)
工藤 洋祐 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(臨床研究部), 臨床研究部, 研究員 (90622142)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | saccade / smooth pursuit / 前庭眼反射 / 視運動性眼反射 / 平衡機能 / 転倒リスク / ビデオ眼振計 |
Outline of Annual Research Achievements |
視標や外界の視認が可能なゴーグルを利用したビデオ眼球運動測定装置を作成し,随意性眼球運動や反射性眼球運動の計測が,実際に可能であることを健常人で確認した.こうした健常人での眼球運動の測定に際し,眼球運動が,全ての方向で同じように生じるのではなく,眼窩内容物による弾性復元力や粘性抵抗の影響を強く受けるために,方向により差がかなり生じることが,新たに判明した.視覚刺激(視運動反射刺激など)による随意性眼球運動の変化や,体性感覚刺激による前庭眼反射の変化などについての新知見も,さらに収集されている.今年度までの成果は,今年度中に論文にして発表予定である.これまでに判明した眼球運動の特性(運動方向による違いなど)と,視覚(視運動反射)入力や体性感覚入力,前庭感覚入力による反射性眼球運動の変化の特性を組み合わせ,現在転倒リスク解析用のプログラム作成に着手している.さらにまた,転倒予防プログラムについても検討を重ねている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常人の眼球運動の基礎データの収集や,視覚刺激や前庭刺激,体性感覚刺激による反射性眼球運動の変化のデータの収集が,おおむね完了している.現在これらを組み合わせ,転倒予測・防止プログラムの開発に着手している.
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Strategy for Future Research Activity |
健常人の随意性眼球運動の特性と,感覚入力による反射性眼球運動の変化によるデータを基に,健常人および転倒傾向の強い患者(高齢者や神経変性疾患)の転倒リスクを評価するプログラムの作成を進め,さらにその予防法を開発する.
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Causes of Carryover |
感覚刺激の定量的入力装置と眼球運動計測装置の組み合わせのためのハード(周辺機器など)およびソフト(コンピュータプログラムなど)の作成が後に回ったため,請求が繰り越されたが,個々のシステム自体の動作確認はすでに進行しており,研究計画としてはおおむね順調に進行している.
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