2021 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症原因遺伝子OPTNによる自然免疫系における役割
Project/Area Number |
21K07461
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大澤 亮介 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (20719356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 秀史 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70253060)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ALS / 筋萎縮性側索硬化症 / 自然免疫 / OPTN(Optineurin) |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の病態生理及びマウスを用いた(これまで同定された)原因遺伝子の機能解析の研究から、骨髄系細胞の自然免疫系の機能異常が神経変性に関わる可能性が強く示唆されている。そこで、我々は当研究室で以前同定した ALSの原因遺伝子 Optineurin (OPTN) が骨髄系細胞の自然免疫を司る細胞のうち、単球及び単球から分化するマクロファージ、またマクロファージと同じ機能を司るとされ脳内実質に存在するミクログリアに注目し(ただしミクログリアは卵黄嚢から発生し脳に生着し、単球から分化するわけではないことに留意) OPTNの遺伝子欠損がこれらの細胞にきたす影響について検討した。具体的には骨髄細胞を採取、マクロファージに分化誘導後に、M-CSFで刺激して、細胞内で活性化される分子経路について解析を行なった。 その結果、JAK-STATシグナル経路については活性化が遺伝子変異により低減していることが示された。一方、過去の知見では誘導されるとされるnon-canonical NF-κB経路については野生型、OPTN遺伝子変異ともにマクロファージもしくは単球からマクロファージへの分化誘導時において顕著な活性化を示さなかった。 また自然免疫系の細胞はTLR4を受容体として細菌の細胞壁由来のリポ多糖(LPS)刺激に顕著に反応することが知られているが、LPS刺激ではマクロファージでALS原因遺伝子の一つである TBK1の急激なリン酸化を認めることができるが、野生型、OPTN遺伝子変異細胞の間に顕著な差を我々の実験では認めることはできなかった。
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