2021 Fiscal Year Research-status Report
Identification of interaction between sex chromosomes and HLA in central nervous system autoimmune diseases
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21K07464
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
磯部 紀子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60452752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 拓也 九州大学, 大学病院, 講師 (00533001)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / HLA / 性染色体 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性硬化症(multiple sclerosis; MS)は、若年女性に好発する、中枢神経系の自己免疫性脱髄性疾患である。昨今の国際的なMSの遺伝学的研究の発展により、ゲノム上の200以上の遺伝子領域がMSの発症に関わっていることが明らかになった。これまで、解析の難しさから、対象は常染色体上の一塩基多型(SNP)に限られることが多かった。しかし、解析手法やソフトウェアの発展に伴い、性染色体上のSNPも解析可能となり、2019年には、X染色体上のSNP、rs2807267もMSの発症に関わる遺伝子領域のタグSNPとして報告された。rs2807267は、X染色体長腕に位置し、その約64kbテロメア側にはCD40LGが位置する。ImmunoBaseデータベースによると、rs2807267が周囲のどの遺伝子の機能と関連しているのかスコアリングし推定したところ、CD40LGは最も関連が強いと想定される遺伝子の一つであった。CD40LGは、CD40のリガンドであり、CD154とも呼ばれる。CD40-CD40LG相互作用はB細胞の増殖や分化、免疫グロブリン産生に重要であることが知られている。 今回、応募者は、MSが女性に多いのは、①MSの発症リスクに大きく関わるHLAアリルと性別との間に相互作用があるため、あるいは、②X染色体上に位置しCD40-CD40LGシグナルに関わるCD40LG遺伝子の作用が女性においてより強固であるためである、という2つの仮説に基づき、研究を開始した。 ①について、HLAアレルのタイピングを行い、MS患者群内において、性別によるHLA-DRB1アレル頻度に相違がないか検討を行ったところ、MSに対し保護的な報告もあるHLA-DRB1*01:01アレル頻度が男性患者で女性患者よりも有意に多い結果であった。 ②について、MSのゲノムワイド関連解析データよりX染色体上のSNPデータの確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HLAアレルのタイピングを行い、HLAアレルと性別との関連解析、ならびに、研究の基盤となるデータを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノムワイド関連解析データを用い、HLA領域のSNPあるいはHLAアレルデータと、X染色体上のSNPとのMS発症への相互作用の有無について検討を行う。次に、CD40LGを中心に、性染色体上の遺伝子発現量と性別、HLAアレルとの関連について解析準備を進める。
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Causes of Carryover |
HLAアレルのタイピングを中心に使用したが、残金が生じたため、次年度の研究に回した。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Continued increase of multiple sclerosis and neuromyelitis optica in the 5th nationwide survey2021
Author(s)
Noriko Isobe1 Masaaki Niino, Mitsuru Watanabe, Ichiro Nakashima, Takuya Matsushita, Yasunari Sakai, Jin Nakahara, Izumi Kawachi, Hirofumi Ochi, Yuji Nakatsuji, Juichi Fujimori, Kenji Kufukihara, Koshi Nakamura, Kiyomi Sakata, Makoto Matsui, Jun-ichi Kira
Organizer
62nd Annual Meeting of the Japanese Society of Neurology
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