2021 Fiscal Year Research-status Report
画像情報と時間情報を融合した新たな脳虚血コア判定システムの開発
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21K07468
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
河野 浩之 杏林大学, 医学部, 講師 (30602578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 照之 杏林大学, 医学部, 教授 (50346996)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / CT灌流画像 / 虚血コア |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】急性期脳梗塞において、虚血コアは治療しても回復しない領域と定義されている。しかし、治療により虚血コアが回復する「幻の虚血コア」現象を経験する。幻の虚血コア現象は、急性期脳梗塞治療の適応に重大な影響を与える。【目的】2021年度の研究計画は、急性期脳梗塞症例において緊急治療(血栓回収療法)前のCT灌流画像で「幻の虚血コア」が出現する頻度を明らかにすることであった。【方法】対象は2019年4月から2021年9月に、血管再開通療法を実施した前方循環閉塞による急性期脳梗塞患者のうち、CT灌流画像で治療適応を判断し、治療24-72時間後に頭部MRIを撮影した78症例である。24-72時間後頭部MRI拡散強調画像高信号域体積が治療前CT灌流画像における推定虚血コア体積が10 mL以上小さいことを「幻の虚血コア」と定義した。有効再開通はmodified TICI分類を用いて、グレード2b以上とした。【結果】「幻の虚血コア」は37例 (47%、女性13例 平均年齢77歳)にみとめた。幻の虚血コアの出現と関連する因子として、有効再開通を得た場合(97% vs. 81%, p=0.02)と、CT灌流画像から有効再開通を得るまでの時間が短いこと(74 vs. 100分, p=0.04)が明らかとなった。【結論】急性期脳梗塞患者における「幻の虚血コア」は約半数の症例にみられた。また、CT灌流画像から短時間に有効再開通をえることで、虚血コアと推定していた部位を救済できる可能性がある。【意義】幻の虚血コア現象を生じる頻度は予想以上に多いことが明らかとなった。この現象を克服するために本研究を継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染症蔓延による脳卒中救急医療の逼迫のため、症例登録はやや遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定としている画像情報の位置合わせを行い、より正確な虚血閾値設定を行う解析体制を完成できていないため、研究期間内に研究予定を完遂するために、次年度においても解析体制を整える活動を継続する。
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Causes of Carryover |
画像位置合わせソフトウェアを購入予定であった。しかし、現有の画像出力機能では当該ソフトウェアでの解析が困難であることが判明した。そのため、現有画像出力機能の改変を現在行っている。次年度に完了する見込みである。以上の理由から、次年度使用額が生じた。次年度使用額を活用して画像位置合わせソフトウェアの購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)