2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating the mechanism of sudden death in multiple system atrophy using serotonin imaging
| Project/Area Number |
21K07470
|
|---|
| Research Institution | Fujita Health University |
|---|
Principal Investigator |
伊藤 瑞規 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (50437042)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 泰彰 藤田医科大学, 医学部, 講師 (00750473)
渡辺 宏久 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10378177)
植田 晃広 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (20600703)
島 さゆり 藤田医科大学, 医学部, 講師 (50725984)
外山 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90247643)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
| Keywords | セロトニントランスポーター / 多系統萎縮症 / 5-HIAA / 自律神経障害 / 突然死 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
多系統萎縮症（MSA）におけセロトニンの意義を検討するため、セロトニンの最終代謝産物である5-HIAAに着目し、髄液5-HIAAを、MSA 58例(possible 6例、probable 52例、MSA-C 38例、MSA-P 20例、男性 30名、女性 28名、平均年齢 62.56歳、平均罹病期間 29.51か月) とコントロール群 30名(男性 20名、女性 10名、平均年齢 65.6歳)について測定した。結果として、髄液5-HIAAはコントロール群と比べてMSA群で優位に低下していた。また、網羅的な臨床スコアを確認したMSA 24例における髄液5-HIAAはGeriatric Depression Scaleと相関する傾向を認めた(r=0.34)。さらに、髄液5-HIAA高値群では自律神経障害の指標であるSCOPA-AUT高値の例を認めず、髄液5-HIAAは自律神経不全の広がりに影響していると考えられた。
123I-FP-CITはドパミントランスポーター（DAT）に加えて、セロトニントランスポーター(SERT)にも集積することが報告されている。SPECT装置にて中脳縫線核のSERTの分布を定量評価するを目的に開発を行っている。SPECT装置はキャノン製のGCA-9300Rを用い、脳幹の信号集積領域は基底核に比して小さいため、より鮮明なセロトニントランスポーター画像を得るための、最適な撮像方法や撮像条件を設定することができた。更に、定量画像において、CT撮像により被爆を軽減するために、MRIを用いた定量画像 (MR-AC) 開発を進めた。減弱補正に用いるMRI画像として、頭蓋骨のCT値とT2強調画像における頭蓋骨の信号強度の関係が最も近い形状を示すことが判明し、減弱係数の算出に成功した。これを用いることで、CT-ACと同等のSPECT画像を得られることを確認した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セロトニン神経の変性・脱落を推定する5-HIAAを多系統萎縮症（MSA）58例で検討し、MSAではコントロール群と比べ、有意に低下していることを示すことができた。また、網羅的な臨床スコアとの検討で、セロトニンが関与していると思われるうつ症状のスコアであるGeriatric Depression Scaleとの有意な相関を認め、同様にセロトニン減少が関与していると思われる自律神経障害を認めない例では、5-HIAAが保たれており、セロトニンとうつ、自律神経障害との関連を示唆させるような結果をえることができた。
セロトニントランスポーター画像については、脳幹の信号集積領域は基底核に比して小さいため、より鮮明な画像を得るため、コリメータ開口補正を適応することで、コリメータの感度及び分解能が向上し、感度、分解能ともに良い値を示すことが判明するなど、最適な撮像方法や撮像条件を設定することができた。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに多系統萎縮症（MSA）症例を登録し、髄液5-HIAAと網羅的臨床スケールを取得し、セロトニンと各種臨床指標との相関関係を検討していく。
セロトニントランスポーター画像においては、最適化された撮影方法や撮影条件を用い、MSA症例に対して撮像し、脳幹におけるセロトニントランスポーターが、コントロールと比較して低下しているかを検討していく。
また、髄液5-HIAAを取得できたMSA症例において、最適化された撮像方法を用いてセロトニントランスポーター画像を取得し、髄液5-HIAAとセロトニントランスポーター画像におけるセロトニントランスポーター低下との相関を認めるかなどを検討していく。
経過中に、死亡例があり、可能であれば、セロトニントランスポーター画像と解剖によるセロトニントランスポーターとの相関を検討してみたい。
|
| Causes of Carryover |
2021年度内に納品されるはずであった設備が、2021年度内に納品されなかったため。
|
Research Products
(2 results)
