2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of communication disorder using hyper scanning
Project/Area Number |
21K07474
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
柳生 一自 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (90597791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 卓弥 北海道大学, 大学病院, 特任教授 (20246961)
横澤 宏一 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20416978)
白石 秀明 北海道大学, 大学病院, 講師 (80374411)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | コミュニケーション / 脳磁図 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道大学にある2台の脳磁計(Magnetoencephalography: MEG)を光ファイバーで接続し、映像・音声での仮想的対面を可能とするDual-MEGシステムを構築した。さらによりリアルな対面を行えるようカメラとプロジェクタの視差をなくすハーフミラーを用い正面からの視線合致を可能とした。このDual-MEGシステムを用いて、実対面(相手の映像と実際に対面している状況)、擬対面(録画された相手の映像と対面している状況)とを用いて、被験者に判断させる課題を行った。結果、本人は擬対面だと答えている(実対面には気付いていない)にも関わらず、右下前頭部におけるθ波の活動が、映像が実対面では脱同期、擬対面では過同期をすることを明らかにした。すなわち意識レベルでは相手の存在に気づいていない(非意識)にも関わらず、「相手の存在」を脳内で表象化する機構が同部位に存在することを示した。さらに考察をすすめこの二条件の違いは、他者との無意識の交互作用にあること、そのやりとりはfacial mimicry(表情模倣)にあることを推論した。こうした点は進化学的見地、発達学的見地からも合理的であると考えられ、トップダウンの認知とは別の、ボトムアップによって他者が象徴化される機構を示しているのかもしれない。こうした中前頭回を中心としたこの非意識下における他者存在の象徴化については統計学的な検討を深めた上で、研究成果については現在論文投稿中である。さらに2022年度はこの非意識下の脳活動について被験者が「相手の存在」を意識している条件下で行い、右前頭葉にシータ帯域の活動変化を見出し、現在詳細な解析を進めている。今後さらにコミュニケーションに障害をもつ疾患群での調査を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象として健常者同士によるコミュニケーションモジュールを同定(表情のやりとりなど非言語的なやりとり、言語のやりとりなど)については、進行中であり既に一部は論文化されている。解析方法としては単一被験者の脳活動におけるモジュール同定を目的とした周波数解析と事象関連同期・脱同期の解析および二台の脳磁図を用いた同時計測を行うため熟練した検査者を育成中である。研究協力者などマンパワーを要する課題であること、また研究代表者の異動のため、計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後2者間コミュニケーション活動、同期性の研究へと進めていくとともに、疾患群に対しての研究を進められるよう倫理委員会の申請を行なう他、研究補助者の支援を得つつ計画を推進させていく。
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Causes of Carryover |
本年度は研究代表者の勤務地の異動があり、研究遂行が困難であった。研究補助者の協力を得るなどして、次年度より研究推進のキャッチアップを目指す予定である。
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