2021 Fiscal Year Research-status Report
BMI技術を用いたうつ病神経ネットワーク破綻の機序解明
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21K07485
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
野元 謙作 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30786976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神作 憲司 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60399318)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | うつ病 / 慢性ストレス / マウス / セルフケア行動 / コルチコステロン |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、行動実験を中心に研究を遂行した。コルチコステロン慢性投与によるうつ病モデルマウス作成中、今まで報告されていなかったセルフケア行動の障害を見出した。うつ病モデル作成のため、コルチコステロン(最終濃度0.1mg/ml)を飲水中に混合し、3週間投与した。毎週ケージ交換のときに、セルフケア行動の評価を行った。セルフケア行動としては、排便行動と営巣行動に注目した。3週間のコルチコステロン投与後、オープンフィールドテスト、スクロース選好テスト、テイルサスペンションテストを行った。マウスは飼育ケージの隅で排便することが知られている。自然界でも排便場所を分けることが分かっており、感染症予防や天敵回避に有用であることが分かっている。コルチコステロン慢性投与により、この排便行動が阻害され、排便場所が飼育ケージの中でばらつくことが分かった。さらに、営巣行動が阻害されること、阻害の程度は2つの行動で相関していることが分かった。このことは、コルチコステロン慢性投与によりセルフケア行動が阻害されたことを示唆する。さらに、セルフケア行動の阻害の程度はうつ様行動の指標と相関していることが分かった。これはうつ様状態に相関する新たな行動指標である。当初予期していなかった結果であるが、現在、行動実験の結果をまとめ、論文投稿中である。さらに、神経活動計測実験のため、シリコンプローブ電極を導入し、セットアップを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コルチコステロン慢性投与によるセルフケア行動阻害という新しい現象を見出た。当初予期していなかった現象ではあるが、順調に行動実験をすすめ、論文投稿中である。それに加えて、神経活動記録については、機器のセットアップを進めているため、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、行動実験に関する論文を受理まで持っていく。さらに、神経活動計測実験のため、シリコンプローブ電極を導入し、セットアップを行っている。その後、神経活動測定を進め、研究実施計画にのっとって、うつ様行動の増加、うつ状態の悪化の神経対応を探索していく。
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Causes of Carryover |
オンライン参加により旅費がかからなかった学会もあり次年度使用額が生じた。翌年度の学会参加費あるいは物品費に充当する。
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