2021 Fiscal Year Research-status Report
ドラッグ・リポジショニングによるLPA1受容体を標的とした新規抗うつ薬の開発
Project/Area Number |
21K07501
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
梶谷 直人 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特別研究員 (60755742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
可野 邦行 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (50636404)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドラッグリポジショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
現在日本で使われている抗うつ薬は、モノアミンに関連する薬理作用を持った薬物しかなく、薬物治療では難治性のうつ病患者もいることから、これまでとは異なった薬理作用を持った抗うつ薬の開発が望まれている。研究代表者はこれまでに、リゾホスファチジン酸(LPA)1受容体作動薬がモノアミンとは異なる薬理作用を持った新たな抗うつ薬になる可能性を見出した(Kajitani et al. 2016)。得られた成果を基礎研究で終わらせることなく臨床へと橋渡しするために、本研究ではドラッグリポジショニングを活用し約1600の既存薬からスクリーニングを行い、治験に繋がるLPA1受容体作動薬を同定することを目的とした。 初年度は、LPA1受容体の活性を高感度かつ大量に測定するためのスクリーニング系の立ち上げを行った。アッセイにはTGFa shedding assay(Inoue et al. 2012)を採用した。スクリーニングの精度を示すZ'値(0.5以上で合格)で0.8以上の値を得られていたが、化合物を高濃度域で評価しようとした際に、溶媒のDMSO濃度が高くなってしまいZ'値が0.5未満に低下する問題点が生じた。しかし、薬物処置方法の見直しにより、安定的にZ'値が0.5以上になるように改善出来た。この条件で約1600化合物の一次スクリーニングを行ったところ、280化合物が候補化合物として選定された。今後、別のアッセイ系を用いた2次スクリーニングにより、さらに化合物を絞っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スクリーニングを行う際に、化合物の溶媒を考慮してスクリーニング精度を評価すると、予想よりも精度が悪くなってしまった。その改善作業に時間を要した。 しかし改善でき、予定通りの一次スクリーニングを実施することができ予想よりも多い候補化合物が得られたため、計画通り、2次スクリーニング並びに行動実験を行うことが出来る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
一次スクリーニングで選定した280化合物から、さらに別のアッセイ系を用いて2次スクリーニングを行い、候補化合物を絞る作業を行う。2次スクリーニングの結果も考慮し有望な化合物に関して、マウス行動実験により、抗うつ効果の有無を評価する。
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Research Products
(3 results)