2021 Fiscal Year Research-status Report
Constructing a multidisciplinary collaboration model of early intervention in mild behavioral impairment using Initial-phase Intensive Support Team for dementia
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21K07505
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松岡 照之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40636544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 伊三男 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (70362621)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 軽度行動障害 / 認知症初期集中支援チーム / 孤独感 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都市左京区認知症初期集中支援チームの現状や課題を考えるために、チーム員である西村伊三男(研究分担者)、川瀬美奈子(研究協力者)とカンファレンスを8回行った。その中で、認知症や精神疾患の診断がつかず、医療機関に繋がらない地域住民がいることが問題点として挙がり、軽度行動障害(Mild Behavioral Impairment: MBI )の患者が医療機関に繋がっていない状況がわかった。そのため、まずMBIに対する啓発活動を行う事にし、2021年11月15日に開催された京都市左京区認知症初期集中支援チーム活動報告会、2022年2月24日に開催された令和3年度第1回認知症初期集中支援チーム員連絡会・スキルアップ研修にて講演を行った。 MBIは認知機能低下や認知症発症の危険性を高めると言われているが、その神経基盤については十分に解明されていない。そこで、認知症に至っていない43名を対象にfunctional MRI (fMRI)を用いてMBIに関係する神経ネットワークを調べた。その結果、frontoparietal control network (FPCN)がMBIに関与していることが示唆され、FPCNの障害がMBIで認められる認知機能障害や認知症への移行に関与していると考えれらた。 孤独感は認知機能障害、認知症のリスク上昇、精神症状に関与していると言われている。そこで、MBIと孤独感との関係についての予備的調査を行った。認知症に至っていない45名を対象としたところ、視力障害と孤独感がMBIに関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知症初期集中支援チームによる軽度行動障害(MBI)の評価に関する調査、認知症初期集中支援チームによる軽度行動障害(MBI)の早期発見の効果に関する研究の研究計画を立て、京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を経て承認された。現在、データ収集の準備中である。 MBIと孤独感との関係に関する研究のデータを元にRegional IPA/JPS Meetingにてポスター発表を行った。孤独感に関係している脳領域も調べ、現在論文投稿中である。 認知症初期集中支援チーム員連絡会において、高齢者の精神疾患と認知症との鑑別が難しい点が困っているという声が多かった。高齢発症の精神病症状においては、MBI、認知症、統合失調症、妄想性障害、気分障害、せん妄など様々な疾患がある。その鑑別において、MRIやSPECTといった頭部画像検査が有用であるのかどうかを調べ、日本老年精神医学会のシンポジウムで発表した。現在、論文を作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
認知症初期集中支援チームによる軽度行動障害(MBI)の評価に関する調査、認知症初期集中支援チームによる軽度行動障害(MBI)の早期発見の効果に関する研究のデータ収集を行う。 MBIと孤独感との関係に関する研究のデータを引き続き収集する。 高齢者の精神疾患と認知症との鑑別における頭部画像検査の有用性について論文を作成し、投稿する。 MBIの神経基盤について頭部MRIを用いて調べる予定である。 コロナ禍が長期化しており、患者のリクルートが困難な状態である。該当患者が少ない場合、京都市内にある関連病院の外来患者で対象になる方の参加を呼びかけたり、関連病院での共同研究を積極的に進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が長期化しており、研究のデータ収集を開始していないため、データ解析用のコンピューター、解析ソフトなどはまだ購入しておらず、また研究参加者への謝金も発生しなかった。 一方、functional MRIを用いたMBIの神経基盤に関する論文を作成し、論文投稿できたため、研究成果英文校正、投稿料が必要であった。 次年度は研究成果を学会や論文で報告予定であり、学会参加費や論文投稿料などに研究費を使用する予定である。また、研究のデータ収集が進めば、データ解析用のコンピューター、解析ソフトなどの購入や研究参加者への謝金に使用する。
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