2023 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患病態における神経ペプチドの役割に関する検討
Project/Area Number |
21K07514
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
秀瀬 真輔 帝京大学, 医学部, 助教 (50832763)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神疾患 / 神経ペプチド / 脳脊髄液 / 血漿 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳脊髄液及び血漿検体を用いてMAGPIXシステムで5種類の神経ペプチド(α-メラニン細胞刺激ホルモン、β-エンドルフィン、ニューロテンシン、オキシトシン、サブスタンスP)測定の条件検討を行った。その結果、脳脊髄液中の濃度はとても低く信頼性の高い測定ができなかったため血漿検体でマルチプレックス・イムノアッセイを実施することにした。統合失調症患者149名、双極性障害患者115名、大うつ病性障害患者186名、健常対照者350名から成る合計800サンプルで血漿中神経ペプチド値の本測定を行った。健常対照者と統合失調症、双極性障害、大うつ病性障害との間で血漿中神経ペプチド値を疾患横断的に比較した。又、血漿中神経ペプチド値と陽性・陰性症状評価尺度、ヤング躁病評価尺度、ハミルトンうつ病評価尺度、統合失調症認知機能簡易評価尺度、及びウエクスラー記憶検査との相関を疾患群毎および健常対照群で調べた。その結果、いずれの神経ペプチドも統合失調症、双極性障害、ないし大うつ病性障害患者で健常対照者と比べて有意差がなかった。又、いずれの神経ペプチドも統合失調症、双極性障害、ないし大うつ病性障害患者の症状や各疾患患者ないし健常対照者の認知機能と有意な相関を示さなかった。これらの結果から、少なくとも今回血漿検体で測定したα-メラニン細胞刺激ホルモン、β-エンドルフィン、ニューロテンシン、オキシトシン、サブスタンスP値が統合失調症、双極性障害、および大うつ病性障害の特性ないし状態マーカー分子としては機能していないことが示唆された。又、脳脊髄液では5種類の神経ペプチドの測定が困難なことが明らかになった。今後は中枢神経系の状態を直接的に可視化できる分子イメージング等の手法によって主要な精神疾患の病態における神経ペプチドの役割についてさらに検討が行われることが期待される。
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Research Products
(1 results)