2022 Fiscal Year Research-status Report
摂食障害患者における「不確実性への不耐性」の脳基盤の解明
Project/Area Number |
21K07515
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
須田 真史 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30553747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 正人 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20221533)
武井 雄一 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30455985)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 不確実性への不耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、摂食障害の中核的な要因の一つと考えている「不確実性への不耐性」の背景をなす脳基盤の解明を目的としている。 摂食障害は主に神経性やせ症( Anorexia nervosa: AN ) と神経性過食症( Bulimia Nervosa: BN)を指すが、その増加や若年化や中高年発症などが近年社会問題となっている。摂食障害の発症の背景には遺伝的素因、性格傾向や認知の偏り、社会文化要因など様々な要因が考えられているが、その病態は解明されていない。そういった摂食障害の病態は複雑と考えられているが、その一つの要因として「不確実性への不耐性」の関与が近年推測されている。「不確実性への不耐性」は「予測不可能で不確実な将来の出来事を恐れる傾向を反映し、不確実性を感じることは望ましくないと信じている特性」と定義される。ANにおいては、社会問題解決能力の低下との関連性や、失感情症との関連性が報告がされている。加えて今回のコロナ禍における摂食障害患者数の世界的な増加現象にも関連していると推測され、その背景をなす脳病態解明の意義は大きい。そういった「不確実性への不耐性」の脳病態には、先行研究から前頭極などの関与が推定されているが、脳磁図を用いた先行研究はまだない。 本研究においては、まずは「不確実性への不耐性」を評価し得る認知課題の作成を行う。その後に、その「不確実性への不耐性」認知課題を用いて、健常者における脳基盤解明を行い、その後に摂食障害患者を対象とした脳機能計測を行い、摂食障害における脳病態を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「不確実性への不耐性」を評価するための認知課題作成を試行しており、主に健常者を対象に認知課題を実際に試行し、心理指標との関連性を検討している。その結果を踏まえて、実際に脳機能計測に移る予定となっている。その他、今後の研究遂行にあたっての実験環境整備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に基づいて推進する。
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Causes of Carryover |
研究の遂行状況により、一部翌年度使用分に繰り越しを行った。
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