2021 Fiscal Year Research-status Report
Neurocognitive mechanism of behavioral flexibility, social anxiety and shifting of attention
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21K07544
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鄭 志誠 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00621575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 純也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (90783340)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 注意切替 / 側頭頭頂接合部 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、社交・道徳課題を用いたfMRI実験によって得られた結果をまとめ、学会発表と論文執筆を行い、出版に至った (Tei et al., 2022, Soc Cogn Affect Neurosci). この研究では、柔軟な意思決定を認知や情動的バイアズの側面から調査し、ASDの特異的な変調とこれの背景にある脳神経基盤の推定を行った. これを基に知覚的注意のバイアズと視点の柔軟な切替えに関わる実験にも着手し、結果をとりまとめている.
また恥を喚起する共感課題を用いたfMRI実験では、得られたデータを解析し、社交不安と相手の気持ちを察して生じうる不快のレベルが、被験者の側頭頭頂接合部(Temporoparietal junction)の低い活動レベルと深い関係がありうる可能性を見出し、国際学会で発表した(2021;34th European college of neuropsychopharmacology congress).これらの結果は、社交不安・認知バイアズ、柔軟な状況理解に寄与する脳神経基盤の研究を推進する上で、意義のあるものと考えている.
さらにこれらの研究に加え、社交不安に関して論文レビューを行い、執筆・投稿した論文は現在国際学術雑誌にて、査読中である。そして本年度得られた柔軟な認知と注意の切替えに関わる知見は、招待講演にて、社交不安との関係を明示し解説した(2022, Konrad Lorenえz Institute for Evolution and Cognition Research; Austria). 令和4年度の研究においても、注意、視点のバイアズと柔軟な社会的認知や不安に関わるデータの取得と解析を進展させ、論文執筆などにつなげていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの問題によって、被験者リクルートや対面による実験の実施、データ取得にやや遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、一部の研究に遅れが生じた。さらに当初計画していた国外の研究者との共同研究についても、進展が限定的であった。今後は状況に応じ、実験実施の順番や内容を修正し効率的に進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの問題等により、対面実験の実施が制限され、さらに国際学会への参加、国外会議も困難であったため、次年度使用額が生じた.次年度はデータ解析に必要な物品をを含め、当初予定していた計画を段階的に遂行していく予定である.
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Research Products
(17 results)