2022 Fiscal Year Research-status Report
Transposon analysis of the brains of schizophrenia patients with long-read RNA sequencing
Project/Area Number |
21K07548
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
文東 美紀 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00597221)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | トランスポゾン / 死後脳研究 / ロングリードRNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、統合失調症患者試料を使用した遺伝子発現解析は数多く報告されているが、マイクロアレイ法やショートリードの次世代シーケンサーを使用した解析がほとんどであり、大規模なゲノムの構造変異の影響を受けた転写産物を検出することは困難であった。近年、次世代シーケンサーの技術の発展に伴い、長鎖RNAをcDNAに逆転写するプロセスなしに、直接シーケンスすることが可能になりつつある。 これまでに我々は、統合失調症患者死後脳の神経細胞ゲノムにおいて、レトロトランスポゾンLINE-1のコピー数が増幅していること、増幅したLINE-1配列は神経細胞の機能や構造を保持するために重要な遺伝子の近傍に挿入されていることを示した。本研究では、統合失調症患者脳試料を用い、レトロトランスポゾン新規転移などの大規模な構造変異が遺伝子発現に与える影響を、長鎖型シークエンサーを利用したRNAの直接解析により検討する。 本年度は、主に実験と解析の条件検討を行った。ヒト神経芽細胞腫由来の培養細胞であるSK-N-SHから抽出したRNAを使用して、Nanopore社の3種類のRNA sequencingキットでライブラリを作製し、MinIONのランで得られたデータを使用してパイプラインの検証を行ったところ、いくつかリファレンスゲノムには存在しないLINE-1挿入を持つmRNAを検出することができた。現在はヒト死後脳前頭葉由来のRNAを使用して、Nonopore及びPacBio社のRNA-seqデータを取得し、同様の解析を行うことで、リファレンスゲノムには存在しないLINE-1挿入を持つmRNAの検出を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nanopore社のRNA sequencingで得られたデータを使用して、リファレンスゲノムには存在しないLINE-1挿入を持つmRNAを検出するためのインフォマティクスのパイプラインの検討を行い、目的とするmRNAの検出に成功している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、統合失調症患者由来の死後脳前頭葉由来のRNA-seqデータを取得し、リファレンスゲノムには存在しないLINE-1挿入を持つmRNAの検出を行い、患者前頭葉でどのような遺伝子がLINE-1挿入によって障害されている可能性があるかを検証する。
|
Causes of Carryover |
事前に計画していた消耗品費より少額の費用で実験を実施できたため、余剰分が生じた。余剰分は次年度分の助成金と合わせ、これから行う解析費用として使用する。
|
Research Products
(6 results)