2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Minimally Invasive MR Imaging Method for biological materials Using Carbon-13 Labeled Antibodies
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21K07568
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
笹尾 明 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任講師 (30508487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺沢 宏明 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (10300956)
笹尾 亜子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80284751)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 炭素13 / 抗体 / 13C-MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体への13C標識アミノ酸導入が以前行った予備実験と同様に可能かどうかの確認として、材料であるアミノ酸源として1-13Cメチオニンと 2-13Cグリシンを抗体産生細胞であるハイブリドーマ細胞の培養液に添加し、13C標識抗体の作成を施行した。 出来上がった抗体を含んだ培養液上清を抗体と特異的に反応するProtein Aカラムにて精製し、SDS-PAGEにて精製度を確認した。これにより、抗体以外の夾雑物や抗体に取り込まれなかった13C標識アミノ酸を除去された抗体(IgG)を得た。これを1H-NMR測定で問題となる軽水(H2O)を除去する為に凍結乾燥を行った。その後、重水(D2O)に再溶解し核磁気共鳴装置( AVANCE III HD 500MHz ブルカー・バイオスピン )にて1H・13C-NMR測定を行った。この測定にて1Hでのタンパク質としての信号は良好に得られたが、13C-の信号は非常に弱くかった。信号をとらえやすい低周波側に観察される2-13Cグリシンの信号と思われるものはかろうじてみられたが、1-13Cメチオニンからの信号はほとんどみられなかった。 原因としてはメチオニンの1位の13Cの信号が感度の低い高周波側に出るため信号が弱いということと、今回の標識位置ではペプチド結合によりタンパク質の表面ではなく内部に組み込まれてしまうことで、標識部周囲の原子からの影響により信号減弱が起こっている可能性が考えられる。また、今回用いたハイブリドーマが抗体を産生するときに取り込まれるメチオニンの量が通常の細胞培養液に13C標識アミノ酸添加した程度では少量過ぎた可能性も否定できない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大や国際政情不安に伴う流通障害により試薬などの入手に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
13C標識位置がペプチド結合部から離れたメチオニン(Methyl-13Cメチオニン)や5-13Cグルタミンなどを使って再び抗体作成を試みる。また、添加する13C標識アミノ酸と同じ成分のアミノ酸を含まない細胞培養液を使用して抗体への導入効率を検討する。 さらに、任意の抗体に13Cを標識できるように13C標識量子ドットなどの利用も考慮する。抗体が、NMR測定において比較的短時間で信号を得ることができるようになったら、細胞・動物実験へと進めていく。
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Causes of Carryover |
既に入手している試薬にて今年度実験を行った。この実験により、試薬を変更して再実験を行う事が必要となったがCOVID-19感染拡大や国際政情不安などが重なり、流通が混乱したため試薬の入手が次年度になってしまった。
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