2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the diagnostic imaging supporting system for the artery of Adamkiewicz
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21K07572
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70210648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折居 誠 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70508986)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Adamkiewicz動脈 / 大動脈瘤 / CT |
Outline of Annual Research Achievements |
1.胸腹部大動脈瘤手術における脊髄虚血は3~20%程度の頻度で発生する悲劇的な合併症であるが、その回避にはCTによる術前のAdamkiewicz動脈の同定が複数の診療ガイドラインでも推奨されている。一方で、Adamkiewicz動脈の描出や評価には専門的な知識や技能が必要であり、このことが術前のAdamkiewicz動脈の同定を困難にしている。本研究の目的は、AI(artificial intelligence)の技術を用いて、熟練者でなくても精度の高いAdamkiewicz動脈の診断を支援するシステムを開発することである。 2.臨床的にAdamkiewicz動脈の評価の適応となった大動脈瘤を持つ症例に対して超高精細CTを用いて撮影し、側副血行路を含めたAdamkiewicz動脈の描出を行った。同時に、その画像解析と診断能の評価も行った。Adamkiewicz動脈の描出能は先行研究に倣いCPR(Curved planar reformation)画像での連続性の視覚的な4段階評価とした。側副血行路も同様にCPR画像での連続性の視覚的な4段階評価としたが、経路によって傍脊椎群と胸壁群の2群に分けてた。 3.Adamkiewicz動脈の診断が可能であった症例の中からAIの教師データ用としてAdamkiewicz動脈と前根髄質静脈が描出された画像データを抽出した。 4.これまでの研究成果の一部を第107回北米放射線学会(Radiological Society of North America)で発表し(Yoshioka K, et al : Demonstration of collateral pathways to the artery of Adamkiewicz using ultra-high-resolution CT angiography)、情報発信を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.CPRでの視覚評価で4段階の中で上位2段階を診断可能とした場合、Adamkiewicz動脈が描出されたのは25例中22例であった。その中で側副血行路の形成が見られたのは4例であった。 2.Adamkiewicz動脈が判定できるMPR(multiplanar reformation)画像が作成できたのが22例、前根髄質静脈が判定できるMPRが作成できたのが20例であった。 3.教師データは3D Slicer image computed platformを用いてボリュームデータから血管のsegmentationを行い、Adamkiewicz動脈と前根髄質静脈を抽出した。現時点で、Adamkiewicz動脈が2症例、前根髄質静脈が5症例作成できた。現在使用していプラットフォームは必ずしもAdamkiewicz動脈の抽出に適していない面もあるので、別のものの使用も検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
1.50例を目標としてAdamkiewicz動脈の撮影を行う。 2.教師データをAdamkiewicz動脈、前根髄質静脈ともに各25例の作成を目指し、動脈と静脈のアノテーションを熟練医によって行う。 3.AIとしてDeep learning Box (予定)を用いてAdamkiewicz動脈と前根髄質静脈を含む画像データを2群に分類するようなモデルを作成し、学習を実施する。 4.残る25例を用いて、AIと熟練専門医と初学者とで診断能を評価する。 5.Adamkiewicz動脈を自動抽出するシステムの開発も考慮しながら研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により参加を予定していた学会に現地参加できずWebでの参加となったため、旅費が使用できなかった。今年度の学会に現地参加(東京都を予定)が可能であればその際の旅費に充てたい。もし、参加困難な場合には人件費等や物品費に充てる予定である。
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