2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on very early diagnosis of Alzheimer's disease by brain structure network analysis
Project/Area Number |
21K07583
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Research Institution | Southen Tohoku Research Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
松田 博史 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北創薬・サイクロトロン研究センター, 院長 (90173848)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / MRI / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
アミロイドPET陽性は、アルツハイマー病(AD)の診断の前提条件である。日常臨床でアルツハイマー病と診断される症例のうち、約30%にアミロイドPET陰性例が含まれると報告されており、アミロイドPETはAD診断に大きな影響を与えることが分かっている。しかし、ADが疑われるすべての患者にアミロイドPETを実施することはできず、アミロイド陽性を予測する他のバイオマーカーが必要とされる。本研究では、このバイオマーカーとして、構造的T1強調MRIに着目した。(方法)臨床的にADの可能性があると診断された患者のうち、脳血流SPECTでADに特徴的なパターンを示さなかった55名(男性29名、女性26名、年齢は平均72歳、MMSEスコアは平均25)を対象とした。 全員に3DT1強調画像を含むMRIと11C-PiB(32例)または18F-NAV4694(23例)によるアミロイドPETを実施した。アミロイド蓄積はCentiloid Scale (CL)を用いて定量化した。3DT1強調画像から灰白質を抽出し、個人レベルの脳内ネットワーク解析をグラフ理論に基づいて行い、脳内ネットワークのハブ領域を表すbetweenness centrality(BC)画像とCLとの相関を求めた。共変量は、グラフ解析に使用したノード数、機械学習手法を用いてMRIから得た脳年齢とした。(結果)55人中29人が、視覚的解釈によりアミロイドPET所見が陽性であった。全体のCLは平均39であった。CLとBCの相関は、楔前部でZスコア3.17 (p<0.001) と有意な逆相関を示した。(結論)ADの可能性のある患者において、構造ネットワークのMRI解析により、アミロイド蓄積の程度を推定することができた。アミロイドの早期蓄積を伴う楔前部のハブ領域としてのネットワーク異常は、ADに特徴的な所見といえる。
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Research Products
(12 results)