2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of three-dimensional dosimetry of carbon-ion beams using gel dosimeters
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21K07588
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
想田 光 山形大学, 医学部, 講師 (30523162)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲル線量計 / 重粒子線 / 3次元線量分布測定 / LET依存性 / 回転ガントリー |
Outline of Annual Research Achievements |
オンラインで開催されたゲル線量計研究会への参加等によりゲル線量計の作成に関する情報収集を行い、当初予定していた色素ゲル以外に、ポリマーゲルにおいても線量応答の非線形性を利用してLETと線量を計算するという本研究の解析手法が応用できる可能性があることがわかった。 実験の準備については、コロナウィルス問題によりゲル線量計作製手法の見学などができなかったこととにより、作成装置の整備が進まなかった。照射実験の根幹をなす山形大学医学部の重粒子線超伝導回転ガントリー装置が調整に時間を要し、メーカーからの引き渡しが遅れ、調整方針の立て直しと治療運用を安全に開始するためのコミッショニングに大幅に時間を割かなければいけなかったため、ゲル線量計を実際に作製し照射実験を行うには至らなかった。 しかしながら、超伝導回転ガントリーのコミッショニングを通じて、ビーム位置やビームサイズの季節変動とその原因を調査した。特に、経験的にビームサイズは経時的な変化が少ないと考えられていたが、超伝導回転ガントリーにおいては、ビーム軌道の変化によって、実効的に受ける集束磁場が変化して一部のエネルギーでビームサイズが大幅に変動する事象が見られた。これは、医療機器としての超伝導回転ガントリーの品質管理を行う上で重要な知見であり、このような事象を3次元的な照射で確認できるゲル線量計の重要性を改めて認識できた。また、重粒子線治療装置の照射ログデータを解析するツール群をPythonを用いて開発し、詳細なビーム照射結果を高速に解析できるようになった。これらを通じて回転ガントリーのビームを調整・管理する基本的な手法を身につけたことにより、今後の実験における照射技術を確立することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス問題によりゲル線量計作製手法の見学などができなかったこととにより、作成装置の整備が進まなかった。また、照射実験の根幹をなす山形大学医学部の重粒子線回転ガントリー装置が調整に時間を要し、メーカーからの引き渡しが遅れ、調整方針の立て直しと治療運用を安全に開始するためのコミッショニングに大幅に時間を割かなければいけなかったため、ゲル線量計を実際に作製し照射実験を行うには至らなかった。 一方、ガントリーのビーム調整や、装置ログの解析ツールの開発など、実験に必要となる重粒子線治療装置のビーム運用については大きく進展し、今後照射実験を行うための基礎技術を確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルス問題の落ち着きによりゲル線量計作成手法の見学の目処が立っており、また回転ガントリーのコミッショニングも年度前半でほぼ完了する見込みであり、これらの準備が整った段階でゲル線量計の作製および照射実験に注力し、これまでの遅れを取り戻すよう研究を進める方針である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス問題によりゲル線量計作製手法の見学ができず、作成装置の整備が大幅に遅れたため、同装置に要する費用が未使用となった。今年度はコロナウィルス問題の落ち着きに伴いゲル線量計作製手法の見学が可能な見込みであり、今年度中に整備を完了する予定である。
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Research Products
(4 results)