2022 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺内用療法患者から排出される放射性ヨウ素の高効率除去に関する研究
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21K07598
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 茂樹 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (80402395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧垣 正吾 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (50444097)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射性ヨウ素 / 廃液 / 高吸水性ポリマー / α-シクロデキストリン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに,シクロデキストリンを添着した綿生地をフィルターや外装部分に用いることにより,廃棄待ち保管中の飛散が防止され,医療従事者への内部被ばくが低減されることが示唆された.この成果に基づいて,今年度は,シクロデキストリンを添着した綿生地に代わって,高吸収性ポリマー1gと5% α-シクロデキストリンを組み合わせた保持生地を用いて,放射性ヨウ素125Iを含む水溶液および人工尿を用いて,放射性ヨウ素の保持効果に関する試験を実施した. 試験は,放射性ヨウ素を混入させた模擬廃液(2種類)を高吸水性ポリマー入り容器内で90日間放置し,経時に模擬廃液内の放射性ヨウ素放射能計測によって残留ヨウ素率を算出した.水分が除去された放置後15 日目の残留ヨウ素率は水溶液では98%であった.人口尿では95%であった.α-シクロデキストリンと組み合わせた超吸収性ポリマーを組み合わせた、放射性ヨウ素溶液の吸着および分離生地は,放射性ヨウ素廃液処理剤として利用できることが明らかになった. この結果に基づいて,次年度は,放射性ヨウ素による甲状腺治療患者から排泄された尿を用いて,これまでの成果を検証する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,α-シクロデキストリンと組み合わせた超吸収性ポリマーを組み合わせた、放射性ヨウ素溶液の吸着実験の成果を得るために,ポリマーとシクロデキストリンの組み合わせ条件の決定実験に多くの時間を必要とした.
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Strategy for Future Research Activity |
放射性ヨウ素による甲状腺治療患者から排泄された尿を用いて,これまでの成果を検証する(臨床実験)ためのこれまでの基礎実験に多くの時間を費やしたが,想定内の遅れであり,臨床実験の際の条件がピンポイントで決定できたことから,今年度,予定通りの実験が可能である.
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Causes of Carryover |
臨床実験が遅れたため,器材購入(消耗品)費用が次年度となった. 新型コロナ感染により,学会出張を取りやめた. 次年度は,論文投稿費用および成果発表の旅費等に充当する.
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Research Products
(1 results)