2022 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチ破壊性変化定量解析システムの妥当性評価
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21K07611
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神島 保 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (10399868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 啓 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10456014)
渥美 達也 北海道大学, 医学研究院, 教授 (20301905)
池辺 将之 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (20374613)
田村 賢一 日本大学, 工学部, 教授 (90227273)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 関節破壊定量評価 / 単純X線写真 / ファントム研究 / 臨床研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
論文2編を公表した 1.Jpn J Radiol. 2022 Dec 20. doi: 10.1007/s11604-022-01373-z. 本研究の目的は、部分画像位相限定相関(PIPOC)を搭載した、X線撮影による関節裂隙狭小化(JSN)の進行を自動的に定量化できるソフトウェアを検証することであった。指の関節を模擬したファントムの評価では、マイクロメーターの計測値を基準として使用した関節腔幅 (JSW) の差につき、画像に対するソフトウェアの成績を比較した。臨床評価には、15 人の RA 患者が含まれた。 ベースラインから 52 週目までの指の関節の状態を Sharp スコア(Genant変法)で評価した。また、これらの関節のパワードップラー超音波検査(0、8、20、52週目)滑膜血管分布 (SV) も定量的に評価した。PIPOC を搭載した社内ソフトウェアにより、微量な X 線画像を自動的かつ定量的に検出できることが示唆された。 2.IEEE J Biomed Health Inform. 2022 Oct 27; PP. doi: 10.1109/JBHI.2022.3217685. この論文では、部分画像位相限定相関(PIPOC)にてJSN を自動的に定量化することを目的としたX線撮影による関節裂隙狭小化(JSN)の進行を自動的に定量化できるソフトウェアを開発することであった。この研究にて通常の視覚的評価を遥かに凌駕するサブピクセルでのJSN進行自動解析が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の概要は以下の通りであったが、関節裂隙に関する評価は概ね良好に進捗している一方で、骨びらんに関する検討が相対的に遅れている。 ① 計測された関節裂隙・骨びらんの変化が真値であることをファントム画像で検証については、自作の関節ファントムを使用する。ファントムの関節裂隙を0.1mmごとに様々に変化させた上で単純X線写真を撮影、画像解析プログラムを用いて画像間の裂隙差を正しく検出できているかどうかを検証する。 ② 計測された関節裂隙・骨びらんの変化が真値であることを少数の臨床画像で検証については、100症例程度の臨床画像を用いて検証作業を行うが、ファントム画像と異なり、実際の関節裂隙幅の差は計測不能である。即ち、定量的な真値は存在しない。したがって、前述((1)本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」の図)した従来法(modified Total Sharpスコア)をゴールドスタンダードとして計測結果の正誤を判定する。画像判定は画像診断医或いはリウマチ専門医が担当する。 ③ 多数の臨床画像データを処理して得た結果の妥当性を検証については、より多くの症例(5000症例以上)で妥当性を検討する。画像転送は患者の画像フォルダ全体(数万画像)を一括転送し、人工知能を応用した自作のソフトウエアにて標的となる手の画像のみを効率的に抽出し、解析する。画像以外にこれまで提唱されてきたバイオマーカー(患者の主観的評価、血液検査(C反応性蛋白や赤血球沈降速度検査)、超音波検査所見、診察所見(圧痛関節数と腫脹関節数)を総合的に考慮した疾患活動性を指標として群間比較を行って妥当性を評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で裂隙狭小化に関する検証は順調に進んでいるが、骨びらんに関しては十分な進捗が得られていない。そこで、以下にて対応する。 ① 計測された骨びらんの変化が真値であることをファントム画像で検証:自作の関節ファントムを使用する。ファントムで微小骨びらんを再現、単純X線写真を撮影、画像解析プログラムを用いて画像間の裂隙差を正しく検出できているかどうかを検証する。 ② 計測された骨びらんの変化が真値であることを少数の臨床画像で検証:については、100症例程度の臨床画像を用いて検証作業を行うが、ファントム画像と異なり、実際の関節裂隙幅の差は計測不能である。即ち、定量的な真値は存在しない。したがって、従来法(modified Total Sharpスコア)をゴールドスタンダードとして計測結果の正誤を判定する。画像判定は画像診断医或いはリウマチ専門医が担当する。 ③ 多数の臨床画像データを処理して得た結果の妥当性を検証:については、より多くの症例(5000症例以上)で妥当性を検討する。画像転送は患者の画像フォルダ全体(数万画像)を一括転送し、人工知能を応用した自作のソフトウエアにて標的となる手の画像のみを効率的に抽出し、解析する。画像以外にこれまで提唱されてきたバイオマーカー(患者の主観的評価、血液検査(C反応性蛋白や赤血球沈降速度検査)、超音波検査所見、診察所見(圧痛関節数と腫脹関節数)を総合的に考慮した疾患活動性を指標として群間比較を行って妥当性を評価する。 以上より、罹患患者数が多い難病であるRAにおいて、薬剤の開発や効果的な利用法に寄与できる画像解析画像解析プログラム実用化への妥当性評価を試みる。
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Causes of Carryover |
パンデミックで旅費が使用できなかった。残額については次年度旅費として使用する。
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Research Products
(4 results)