2022 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the mechanism of a mitochondria redox-mediated chemical enhancement of cell death induced by radiation and hyperthermia, and its application for cancer therapy
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21K07614
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
趙 慶利 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (90313593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 良平 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60334736)
崔 正国 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (90572115)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射線 / 温熱 / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌の治療方法は、近年急速に発達している。総合的な治療方針において、手術以外では、抗癌剤、免疫チェックポイント阻害剤および治療機器の進歩した放射線(陽子線、重粒子線)、温熱、超音波、光などによる治療の重要性が非常に注目されている。また、これらの治療が引き起こす、細胞及び組織内のストレス状態(細胞死タイプ、レドックス、低酸素)の制御機構の解明も進められている。とりわけ、放射線腫瘍学においてHIF-1を中心とする低酸素バイオロジー(2019年ノーベル賞)の重要性は顕著である。これまで、私たちはニトロキシドとハイパーサーミア併用により、細胞死を著しく増感することを確認し、さらに、その細胞死がオートファジー細胞死であることも見出した(Zhao, Apoptosis 2010)。また、そのオートファジー細胞死の誘導に、TP53INP1遺伝子 が関係することも示した(Zhao, SfRBM-2019)。本研究計画では臨床治療への応用のための検討を重視したい。すなわち、臨床治療近い実験方法で、細胞及び組織レベルの増感効果の検討を行い、それと同時にメカニズムの解明についての検討も実施する。ニトロキシドと放射線、マイルドハイパーサーミア併用による細胞死の増強を調べるとともに、マイクロアレイを用いて網羅的遺伝子発現解析を行い、遺伝子ネットワークを作成し、関係するシグナル経路の解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内酸化ストレス関連の解析をニトロキシド、Mito-TEMPOを使って、単独および放射線あるいはマイルドハイパーサーミアとの併用により引き起こされる細胞死の解析をフローサイトメーター(Annexin V-FITC/PI染色)で検討した。細胞死の形態観察はGiemsa染色及びDAPI蛍光色素で行った。細胞増殖毒性評価はCell Counting Kit-8で行った。ヒト子宮頚癌由来のHeLa細胞において放射線及び温熱は細胞死を誘導することを確認した。温熱とニトロキシドMito-TEMPO併用による細胞死の増感効果を明らかにした。LC3, Atg5, P62タンパク質発現の結果から、その細胞死のタイプはオートファジー細胞死であることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
ネクロプトーシスはRIPK1, RIPK3, MLKL、フェロトーシスはxCT, GPx4タンパク発現をウェスタンブロッディング法などにより検出して細胞死のタイプを識別する。また、HIF-1を中心とする低酸素関連たんぱく質発現についても同様に検討する。細胞内活性酸素種の検出:過酸化水素(H2O2)には特異的蛍光プローブBES-H2O2-Ac(細胞透過性)を O2-;にはDihydroethidine (DHE), MitoSOX; Red mitochondrial superoxide indicatorを、ヒドロキシルラジカル(・OH)にはHydroxyphenyl Fluorescein(HPF)を、パーオキシナイトライト(ONOO-)にはAminophenyl Fluorescein(APF)をそれぞれ利用してフローサイトメトリーで評価する。細胞内GSHの量は細胞内GSH定量キットを用いて測定する。ミトコンドリアの膜電位については、Tetramethyl rhodamine methyl ester(TMRM)色素を利用してフローサイトメトリーで解析する。ミトコンドリアの膜電位については、Tetramethyl rhodamine methyl ester(TMRM)色素を利用してフローサイトメトリーで解析する。
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Causes of Carryover |
前年度主にたんぱく質発現について、一部抗体の購入時間を変更した。ほぼ計画どおりで進んでいる。
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Research Products
(3 results)