2022 Fiscal Year Research-status Report
拡散MRIによる新たな乳がん予後予測因子としてのイメージングバイオマーカーの構築
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21K07618
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯間 麻美 京都大学, 医学研究科, 助教 (60748797)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳がん / 拡散MRI / 予後予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
拡散MRIから様々な定量値を算出し、乳がんのサブタイプを始めとする分子生物学的因子と関連付けることにより、臨床において汎用性の高いイメージングバイオマーカーを探索する。
前臨床研究:・B16 tumor xenografts modelにおいて腫瘍細胞のN/C比を反映可能なADC変化率の有用性を検討した。異なる拡散時間(9ms, 27.6ms)で算出したshifted ADC(b値=200,1500s/mm2)と、shiftedADC変化率がN/C比やKi67標識率など腫瘍増殖や悪性度を反映しうることを学会発表した。 ・B16 tumor xenografts modelにおいて拡散MRIの灌流を反映するIVIMフィッテング法がどのようにIVIM定量値に影響を及ぼすか、またフィッテングの最適化についても検討し学会発表した。CD31染色からえられる血管数や血管面積と拡散MRI定量値との相関についても検討したが、検討数も多くなく、IVIM定量値と灌流情報との有意な相関があるかどうかに関する結論は得られていない。
臨床研究:多数のb値で撮影した乳房拡散強調画像から、非ガウス拡散モデルを用いて算出される定量値(Kurtosis)が転移予測バイオマーカーとなる可能性を見出し、その結果を "Biomarkers Predictive of Distant Disease-free Survival Derived from Diffusion-weighted Imaging of Breast Cancer" として出版した(Magn Reson Med Sci. 2022 Aug 3. doi: 10.2463/mrms.mp.2022-0060. Online ahead of print)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による移動の制限などのため動物実験の進捗が前年度遅れたものの、前臨床研究においては学会発表を行い、また臨床研究においては拡散MRI定量値(Kurtosis)が転移予測バイオマーカーとなる可能性を見出し論文化したため、全体として概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
転移のみならず、再発や予後、治療効果を含む臨床情報の更なる調査を続ける。 また、病理解析については、細胞や血管密度に留まらない病理定量情報の計測に関してもも可能かどうか引き続き模索する。
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Causes of Carryover |
動物実験については初年度に遅れが生じたため、最終年度にも検討を引き続き行う。
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