2021 Fiscal Year Research-status Report
Role of non-classical renin-angiotensin system in contrast induced nephropathy
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21K07625
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
茂庭 仁人 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (50749786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 雅也 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00398322)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 造影剤腎症 / レニン―アンジオテンシン系 / ネクロプトーシス / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病患者は心筋梗塞や脳卒中の発症が多く、ヨード造影剤を用いた血管造影やCTの必要性が高いが、慢性腎臓病自体が造影剤腎症の危険因子であり、造影剤の使用が躊躇される場面が多い。レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬は慢性腎臓病に対する保護効果が確立しているが、RAS阻害薬の新規内服が造影剤腎症の危険因子となるなど、造影剤腎症におけるRASの役割は不明な点も多い。一方、古典的RASとは異なる臓器保護的なRASの経路が注目されている。本研究では慢性腎臓病モデルにおいて造影剤腎症の病態にRASがどのように関与するかを解明し、造影剤腎症予防・治療法の開発を目指す。 令和3年度は慢性腎臓病モデルの作成を行った。8週齢SDラットに5/6腎摘を施し、13週齢で造影剤腎症を作成した。SDラットをsham手術のみを行ったSham群、5/6腎摘手術を施したSNx群、そしてSNxに造影剤腎症を誘導したSNx+CM (Contrast Medium) 群の3群に割り付けた。造影剤腎症作成48時間後にsacrificeした。血清クレアチニン、血液尿素窒素、尿アルブミンを測定した。Sham群と比較してSNx群では血清クレアチニン、血液尿素窒素、尿中アルブミン/クレアチニン比、心重量/体重比が有意に高値であり、SNxが慢性腎臓病モデルであることが確認できた。SNx+CM群では血清クレアチニン、血液尿素窒素が更に高値であり、造影剤腎症が誘導されたことを確認できた。尿アルブミン/クレアチニン比はSNx群と比較しSNx+CM群で更に高値であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験モデルの作成に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度では各群のレニン・アンジオテンシン系の各受容体の発現を評価し、CKDモデルの造影剤腎症の病態に、どの受容体が寄与しているのかを確認する。更に受容体の拮抗薬やアゴニストを用いて機能を確認する。
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Causes of Carryover |
一部の実験に他の資金を当てたこと、実験が遅れていることによる。更に学会がWeb参加となり旅費を使用しなかった。 残高1,034,220円についてはPCR、Western blotting、免疫染色に関わる抗体や試薬に70,0000円、データ解析用コンピューター等の機材に20,0000円、学会旅費100,000円、雑費34,220円の使用を見込んでいる。
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