2021 Fiscal Year Research-status Report
肺神経内分泌腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害剤効果予測としてのPETイメージ
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21K07627
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
今井 久雄 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (10646483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
解良 恭一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40400783)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺神経内分泌腫瘍 / バイオマーカー / PET imaging / 免疫微小環境 / 糖代謝・低酸素マーカー / PD-1阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
高悪性度の小細胞癌を含む肺神経内分泌腫瘍はPD-1阻害剤が日常診療で汎用されている。特に小細胞癌では、プラチナ製剤2剤併用療法に抗PD-L1抗体を追加すると有意に生存期間を延長するが、治療効果や予後を予測するバイオマーカーは依然不明のままである。非小細胞癌ではFDG集積はtumor infiltrate lymphocytes (TILs)ではなくPD-L1発現と有意な相関、小細胞癌ではTILsがFDG集積と関連性が報告されている。非小細胞癌とは異なり小細胞癌はPD-L1発現がバイオマーカーにならないが、TILsの関与はPD-1阻害剤のメカニズムより重要であり、PET imagingでdynamicに捉えられれば臨床応用が期待される。本研究の目的は、神経内分泌腫瘍の免疫微小環境および糖代謝・低酸素マーカーの関連性を検討し、さらに、糖代謝イメージングであるFDG-PETと低酸素イメージング製剤である18F-fluoromisonidazole(FMISO)PETを用いて実際のPD-1阻害剤の効果をモニタリングし、腫瘍組織及び血中のリンパ球を含めた免疫関連マーカーと糖代謝及び低酸素イメージングの相関性から、小細胞癌中心の神経内分泌腫瘍におけるPET imagingのバイオマーカーとしての意義を明らかにすることである。本研究によりPD-L1を含む免疫微小環境を低酸素イメージングの観点から明らかにしPD-1阻害剤のバイオマーカーとしてのPETイメージングが臨床の現場で役に立つことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PD-1阻害剤が投与されたSCLCあるいはLCNECを中心とした肺神経内分泌腫瘍のtumorとstromaにおけるTILs, PD-L1など免疫微小環境にかかわる因子と同時に施行されたFDG集積との関連性を臨床病理学的に明らかにするため現在、肺神経内分泌腫瘍の病理組織検体について治療前腫瘍組織50例程度を免疫微小環境(PD-L1, PD-L2, CD4, CD8, Foxp3, CD45RA、CD80)、低酸素誘導(HIF-1α、HIF-2α、HIF-3α、HIF-1β)、糖代謝(Glut1、Glut3、Hexokinase)に関するマーカーを免疫組織学的に評価している。また、PETイメージングについては現在、FDG集積におけるSUVmax, MTV, TLGについてSUV, MTV, TLGをソフトウェアを用いて解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
病理学的評価は腫瘍組織を多重染色し、PerkinElmer社のOperettaとMantraを使用し定量的解析を行うことを予定している。SCLC、LCNEC、カルチノイドの細胞株を用いてFDG及びFMISOの取り込み実験を行い、PD-L1及びPD-L2発現に従ったFDG及びFMISO集積、Glut1、HIF-1α発現の変化を測定し糖代謝及び低酸素へ与える影響を調べる。転移又は再発性SCLC及びLCNECに対して、PD-1阻害剤含むプラチナ2剤併用療法が適応な50症例を対象に治療前、治療1カ月後、3カ月後にFMISO-PETとFDG-PETを臨床試験にて施行し、治療前後におけるFMISO及びFDG集積の治療モニタリングする探索的研究を開始する準備を実施した。
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