2022 Fiscal Year Research-status Report
ナノ粒子型油性造影剤を用いたsiRNA送達システムの開発と肝動脈塞栓術への応用
Project/Area Number |
21K07631
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
谷口 純一 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60818714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山門 亨一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20263022)
高木 治行 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30378377)
平田 豊 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10441247)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | siRNA / リピオドール / ナノ粒子 / 肝癌 / 肝動脈塞栓術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、肝動脈塞栓術の際に日常的に用いられている油性造影剤・リピオドールをsiRNA送達のためのドラッグデリバリーシステムとして応用し、ガン悪性形質獲得に関与する遺伝子を制御する新規治療の開発基盤を構築することである。 特殊な膜や界面活性剤を用いてナノサイズのwater-in-oil-in-water(W/O/W)型エマルジョンを作成すれば、ガン細胞内に効率的にsiRNA封入リピオドールを取り込ませることが可能となり、標的遺伝子を効果的に制御できるのではないかという着想に至った。 従来、肝動脈塞栓療法の治療効果を高めるために、油性造影剤・リピオドールと抗癌剤のW/O型エマルジョンが用いられてきた。 一方本研究では、より特異性の高いsiRNAを用いる①。 siRNAは通常、血液中で速やかに分解される。 そこで本研究では、siRNAをリピオドール内に封入する②。さらにこのsiRNA封入リピオドールは、特殊な膜や界面活性剤を用いてナノサイズのwater-in-oil-in-water(W/O/W)型へと調製することで、ガン細胞へのsiRNA導入効率向上を目指す③。これらの3点が、本研究の創造性である。 2022年度も、蛍光および発光遺伝子発現プラスミドとリピオドールのエマルジョンの腫瘍細胞内取り込みについて、in vitroおよびin vivoでの検討を行った。 リピオドールにコレステロールや各種リン脂質を添加して遺伝子導入効率の変化を検証したが、優位な遺伝子導入効率の改善は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光および発光遺伝子発現プラスミドとリピオドールのエマルジョンの腫瘍細胞内取り込みについて検討を行ったが、腫瘍細胞内への取り込みははっきりと確認できなかった。リピオドールの細胞内取り込み効率、またはプラスミドの細胞質内移行効率が予想以上に低いためと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
リピオドールの修飾のみでは、遺伝子導入効率の顕著な向上は認められなかったため、今後は核酸のコレステロール修飾や、物理的な手法(エレクトロポレーションやソノポレーション)も併用して、遺伝子導入効率の改善を目指す。
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Causes of Carryover |
実験動物および試薬の購入に際し、既存の試薬を一部使用したため次年度使用額が生じた。 (使用計画) 購入した実験動物や試薬を用い、次年度も引き続いて研究を続ける予定である。次年度も同様にリピオドールや核酸の細胞質内移行効率の向上を目指した実験の費用に充填する計画である。また、エレクトロポレーションやソノポレーションにかかる費用にも充てる予定である。
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