2021 Fiscal Year Research-status Report
すりガラス結節の長期経過の解明とその早期予測の可能性
Project/Area Number |
21K07640
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石川 浩志 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90377151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 琢也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20899158)
山崎 元彦 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30772032)
佐藤 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50749992)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺結節 / 肺腺癌 / すりガラス結節 / CT |
Outline of Annual Research Achievements |
すりガラス型結節は病理学的に肺腺癌の前浸潤性病変である異型腺腫様過形成や上皮内腺癌の可能性が高く、微少浸潤性腺癌、浸潤性病変へと緩徐に進行していくことが知られている。また、この病理学的な進行に対応する形で、CTでは結節の性状がすりガラス型結節から部分充実型結節、さらには充実型結節へと変化していくことが知られている。また、これらの経過を経ずに最初から進行した形での浸潤性腺癌として発症する症例も経験される。これらの肺腺癌の進行過程を踏まえ、研究代表者は研究分担者らとともに肺腺癌のCT所見に関する解説論文を発表した。本研究の主目的である10年~20年に及ぶすりガラス型結節の経過を予測するうえでCT所見と病理所見の対比は非常に重要である。その一方で、CT所見の視覚的評価には限界があることを踏まえ、本研究では、すりガラス型結節に重点を置いた定量的解析、radiomicsによる検討を今後行っていく予定である。Radiomicsは肺癌を含め、様々な画像評価において、現在も発展し続けている解析法であり、令和3年度には研究代表者は研究分担者らとともに肺腺癌のCT所見にradiomicsを応用して患者の予後や腫瘍の遺伝子変異との関連を検討し、その結果の一部を学会で報告した。これらの結果は肺腺癌のより早い段階にあることが推定されるすりガラス型結節の画像評価を行う上でも重要な示唆を与えてくれる。今後はすりガラス型結節に関してradiomicsで得られる特徴量および特徴量の変化と病理所見の関連性や、進行の可能性や進行速度に関する早期解明の可能性について明らかにしていく予定である。また、対象には腺癌以外のすりガラス型結節も加え、それらの鑑別診断の可能性について併せて検討することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
すりガラス型結節に重点を置いた検討の着手には至っておらず、今後推進していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
すりガラス型結節の長期経過の解明と進行/非進行の早期予測の可能性に関し、2000年から2010年に切除された肺腺癌症例を対象とし、切除されずに残されたすりガラス型結節のその後の画像経過と臨床的影響(治療介入の有無、転移の有無、生命予後への影響、等)を遡及的に調査する。それらの症例の一連のCT画像に対してradiomicsによる検討を行い、特徴量の経時変化(変化のパターンや変化率)を分析し、短期間の画像経過による10年後、20年後の進行/非進行の予測可能性を明らかにする。 Radiomicsによるすりガラス型結節の特徴量の推移と病理進行度との関連性に関し、2011年から2020年に切除されたすりガラス型結節の切除例(すりガラス型結節から部分充実型結節・充実型結節に変化したものを含める)を対象に、特徴量の変化と病理診断(進行度・浸潤度)の関連性を明らかにする。対象には腺癌以外のすりガラス型結節も加え、鑑別の可能性について検討する。
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Causes of Carryover |
感染対策等に伴う他業務へのエフォート増加ならびに学会活動の制約等により研究が当初の計画通りには進まず、使用額が請求額を下回った。研究活動と学会活動が徐々に通常に戻りつつあることから、次年度使用額と当該年度助成金を合わせて使用することで研究の遅れを取り戻す予定である。
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Research Products
(6 results)