2022 Fiscal Year Research-status Report
スペクトラルCTの物質分解情報を用いた大腸CT用画像診断プロトコールの構築
Project/Area Number |
21K07646
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
甲斐 聖広 九州大学, 大学病院, 助教 (50848645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西江 昭弘 九州大学, 医学研究院, 教授 (20457427) [Withdrawn]
高津 憲之 九州大学, 大学病院, 医員 (40882915)
鶴丸 大介 九州大学, 大学病院, 助教 (90419565)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大腸CT / スペクトラルCT / 大腸ポリープ / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、CT技術の進歩によりCTによる大腸検査が可能となり2012年に「大腸CT」として保険収載された。大腸CTは腸管洗浄剤による前処置後に経肛門的に炭酸ガスを注入し大腸を拡張させた状態で撮像し、3次元構築をする検査である。臨床的に問題となるようなポリープは高い感度で検出することができ、被験者にとって大腸CTは短時間、簡便で苦痛も少ないことが最大の長所であるものの、前処置としての腸管洗浄剤はいまだ内視鏡に準ずる相当量が必要であり、腸管洗浄剤による負担は大腸CTでも十分に改善されてはいない。 スペクトラルCTでは、仮想単色X線画像、ヨード密度画像、実効原子番号画像などといった様々な画像表示法(下図)により、従来のCTでは得られない多種の画像パラメータが簡便に得られることが最大の特徴である。通常の大腸CTでは、腸壁の隆起を病変として捉え内部性状により残便と弁別して大腸癌・ポリープを診断するが、ヨード密度画像や実行原子番号画像では病変そのものを残液、残便から弁別できる可能性がある。 本研究の目的は、スペクトラルCTを用いて低前処置で高い診断精度を得る大腸CTの条件を構築することである。 本年度は、昨年度に引き続きスペクトラルCTで大腸癌・大腸ポリープ症例の撮像を行い症例の蓄積を行った。また、症例の臨床情報、病理所見、画像所見などの基礎データベース構築を行った。さらに画像データを基に撮像プロトコールの最適化、ヨード密度画像や仮想単色画像、実効原子番号画像などの適切な表示法の開発および解析を行った。この間、論文や学会報告などの情報の収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行に伴う患者数低下の影響を受け、当初の予定よりも症例の蓄積が遅延している。 当初、約100例の大腸病変症例を予定していたところ、2022年度までで約50例の蓄積に留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き新規登録症例の収集を継続していく。また、蓄積された症例より、大腸癌・ポリープの検出における最適なCT撮像条件および画像処理の探索を行う。
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Causes of Carryover |
今年度も新型コロナウイルス流行に伴い、学会の現地参加見合わせ・主にオンラインでの参加を行った。流行収束に伴い現地での参加を行う予定である。 また、症例の蓄積が当初より遅れており、必要な研究データ入力・解析に必要なアプリケーションや統計解析ソフトの購入は今後行う予定である。
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