2022 Fiscal Year Research-status Report
CT検査における多発脳動脈瘤を有するくも膜下出血の破裂瘤特定支援システムの開発
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21K07649
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高橋 規之 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (90595076)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多発脳動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
単純CT画像上のくも膜下出血分布から破裂瘤部位を推定する手法の開発を行っている.令和4年12月時点で,くも膜下出血のCT画像を327例収集した.その中から,患者体動,アーチファクト等により使用できない症例を排除し,今年度は217例を用いて研究開発を行った.CT画像データの解剖学的標準化を行い,convolutional neural network(CNN)とlong-short term memory(LSTM)を組み合わせたネットワークを用いて,破裂部位推定を行った.推定する破裂部位は,前交通動脈,左右内頚動脈,左右中大脳動脈の5か所とした.検証の結果,正診率は最大で62.5%であった.予想した性能が得られないため,さらにシステムの改良が必要であると考えている. 上記ネットワークを用いて,得られた症例中くも膜下出血後のシャント依存性水頭症発症40例と発症しない40例から,発症予測を行ったところ,CNN+LSTMモデルを用いた初回頭部単純CTによる、くも膜下出血後シャント依存性水頭症発症予測の感度・特異度・正診率は、それぞれ84.6%・80.0%・82.3%であった。ROC解析における曲線下面積(AUC)は0.857であった。初回頭部単純CTからくも膜下出血後のシャント依存性水頭症の発症を予測できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
くも膜下出血症例のCT画像の収集が前年度に引き続き遅れている.(予定症例数800例に対して約400例が集まっている) 計画した症例数に満たない状態で深層学習を用いたシステムを構築し,学習しているため満足した判別性能が得られていない.
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Strategy for Future Research Activity |
深層学習を用いたくも膜下出血発生部位を推定する手法の性能向上には,学習に用いる症例数を増やすことが第一に必要であり,本研究における目標症例数である800例(現在収集済み400例)を確実に確保することに努める. 本年度は,convolutional neural network(CNN)とlong-short term memory(LSTM)を組み合わせたネットワークを用いて開発を行ったが,思うような性能が獲得できなかったため,次年度は新たなネットワークを導入して推定性能の向上を目指す. 本研究において当初予想していなかった,くも膜下出血後のシャント依存性水頭症の発症を,開発しているシステムを用いて予測できることが示唆されてきた.さらに検証を行い,本手法の有効性を明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大による学会出張の制限のため,計画していた旅費の支出がなかった.次年度は,研究成果を学会等において発表していくことを計画している.
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