2022 Fiscal Year Research-status Report
膵癌に対する重粒子線治療の時間的・空間的最適化に関する研究
Project/Area Number |
21K07667
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岡本 雅彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10451725)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 膵癌 / 重粒子治療 / 線量増加 |
Outline of Annual Research Achievements |
(2022年度)膵癌重粒子線治療後再発の現状調査と線量増加に向けた方法開発: 1.2013年7月より021年6月に当院で重粒子治療を行った膵癌症例111例について、予後調査を改めて行い、生存状況、局所再発状況、遠隔再発状況、後治療についての成績を確認した。2016年以降に治療開始されて化学療法の同時併用が実施された44例について臨床成績についての論文を投稿し、受理された(2023年5月の採択)。来年度44例の全患者の生存期間中央値は、初回治療後34.5カ月、重粒子線治療初日後29.6カ月であった。重粒子線治療後の2年全生存率は56.6%、局所コントロールは76.1%であった。
2.不足していると考えられる局所への重粒子の線量増加するための手法として、Filed in Field法による原発腫瘍巣のみへのboost照射法を立案し、実際の症例を用いて仮想プランを作成し、周囲のリスク臓器への線量増加を検証した。既存ボーラスの流用と新規ボーラスの作成での比較検討を行い、新規ボーラスでのブースト照射の方がより有効に線量増加を行えることがわかった。症例数を増やして検討を行い、膵鉤部の小病変などではこの方法では十二指腸の線量を増加させずにboostを行うことが難しいことがわかった。初回治療計画からの最適化が必要と考えられ、来年度はこのような症例での有効な線量増加法について探索していく方針である。
3.膵癌の重粒子線治療の際の照射角度によるビーム安定性について比較検討を行い、後方からの斜めビームが最も安定していることを確認し論文報告を行った。上記の新たな線量増加方法の検討の際に有効なデータであると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文が1篇採択され、boost照射方法の探索についても順調に実施できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
膵鉤部の小病変などでは単純なfield in field法では線量増加が難しいケースがあり、初回治療からの照射方向や回数の工夫が必要と考えられた。来年度は様々パターンを試してみて、最適な線量増加法を探索していく予定である。
|
Causes of Carryover |
人件費が当初の見積もりよりも減じたため次年度使用額が生じた。次年度の人件費ならびに物品費に充当させる予定である。
|
Research Products
(1 results)