2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Dual-energy CT imaging diagnosis protocol for acute ischemic stroke treatment
Project/Area Number |
21K07669
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
野口 京 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (10242497)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 急性期脳梗塞 / Dual-Energy CT |
Outline of Annual Research Achievements |
急性期脳梗塞の治療は時間との戦いである。治療開始が早いほど予後が良好であり“time is brain”と呼ばれている。それゆえ、必要最小限の画像情報を最短で得ることができる画像診断プロトコールを用いることが重要である。この研究の目的は、急性期脳梗塞治療に対して必要最小限の画像情報を最短で得ることができる非造影Dual-energy CTによる画像診断プロトコールの開発である。そのために、非造影Dual-Energy CT を用いて、頭蓋内出血の除外のための画像診断法、血管閉塞の診断・閉塞部位の診断のための画像診断法、早期虚血変化の診断のための画像診断法、治療直後のヨード造影剤の血管外漏出と脳出血との鑑別および治療直後の脳梗塞の範囲の診断のための画像診断法、これらの画像診断法を組み合わせたプロトコールを開発する。現在は、血管閉塞の診断・閉塞部位の診断のための画像診断法に取り組んでいる。造影剤を使用しない非造影のDual-Energy CTにて、血管閉塞の診断・閉塞部位の診断ができれば、急性期脳梗塞の代表的な治療法の一つである血栓回収術を非侵襲的かつ迅速に開始することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、頭蓋内出血の除外のためには非造影のDual-Energy CTによる骨抜き画像が有用であることを確認している。非造影のDual-Energy CTによる早期虚血変化の診断のためのX-Mapアルゴリズムを開発している。さらに、治療直後のヨード造影剤の血管外漏出と脳出血との鑑別にはDual-Energy CTによる仮想非造影画像が有用であることを確認している。昨年度からは、非造影のDual-Energy CTにて血管閉塞の診断・閉塞部位を診断するための研究を開始しており、今年度も継続中である。非造影のDual-Energy CT画像のMonoenergetic imaging(40keVから190keV)の各画像にて、6mm, 3mm, 1mmの各スライス厚での塞栓子の検出能力にて検討中である。また、理論的にX-mapが、早期虚血変化の診断に優れているかについて,シミュレーション研究にて検討した。コンピュータシミュレーションによる研究であり、エミェレーターによるファトムの作成、仮想スキャンにて画像を作成、ヒト・オブザーバの代わりにモデルオブザーバ (Channelized Hotelling Observer) を用いて定量的・客観的に評価した。そのコンピュータシミュレーションによる結果、標準CT画像よりも、非造影のDual-Energy CTによるX-Mapが、早期虚血変化の診断に優れていた。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、非造影のDual-Energy CTにて血管閉塞の診断・閉塞部位を診断するための研究を継続する。さらに、非造影のDual-Energy CTによる早期虚血変化の診断のためのX-Mapアルゴリズムを改良する。最終的に、急性期脳梗塞治療に最適な非造影Dual-energy CTによる画像診断プロトコールを開発する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の拡大にて、当初予定していた学会参加を見送っていた。現地で参加できる状況になり次第、学会に参加する予定である。また、画像解析用ワークステーションを購入する予定であったが、次年度以降で検討することになった。
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