2023 Fiscal Year Research-status Report
Study on Reduction of Late Effects of Heavy Ion Beam Therapy on Normal Tissues.
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21K07673
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (70718981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40253984)
金井 達明 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (80161149)
皆巳 和賢 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90634593)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 重粒子線治療 / 正常組織障害発生率 / 線量増加 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線抵抗性をもつ難治性癌(膵癌や肺癌)に対して、重粒子線(炭素線)治療は比較的良好な局所制御を示すが、しかし治療成績はまだ満足できるものではない。治療成績向上の手段として重粒子線治療の線量増加が挙げられるが、癌に近接する正常組織の障害(膵癌では消化管出血、肺癌では肺障害など)も増加させてしまう可能性が高い。また重粒子線の殺腫瘍効果は線エネルギー付与(LET)と密接に関連するが、LETと正常組織障害の関係についてはまだよくわかっていない。そこで本研究では重粒子線治療によって起こる正常組織(消化管と血管、肺)の障害の生物学的機序を明らかにし、障害発生の予測モデルを開発することを目的とする。これにより重粒子線治療の臨床において、重篤な障害を低減することが可能となる。さらに今後、線量増加を通して難治性癌の根治性を高める可能性につながる。 これまでに、皮膚の正常組織線量とLETの関係についてモデル化した。その結果、現行の治療線量であれば、皮膚障害発生率は5%以下と予測できるが、線量増加を行うと有害事象発生率が無視できなくなる可能性を見出した。現在は、前立腺がんの障害発生確率をモデル化している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
皮膚線量とLETの関係はモデル化できたが、その他の臓器の障害発生予測モデルまで着手できなかった。しかし、1つのモデルを完成させたため、今後はその雛形を利用し、各正常組織の障害発生モデルを構築できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
既に皮膚の障害発生予測モデルの構築は完成した。今後は、その他の臓器についての予測モデルを確立し、重粒子線治療の線量増加が可能な組織があるか否かを検討する。
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Causes of Carryover |
遂行すべき予測モデルの開発が遅れ、予定した物品の購入に至らなかったため。
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