2021 Fiscal Year Research-status Report
標的ゲノム編集/系統的ノックダウンによる染色体転座頻度を増加させる因子の探索
Project/Area Number |
21K07681
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
津山 尚宏 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (10335747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 悠 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00722472)
工藤 健一 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00805799)
坂井 晃 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70284221)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 染色体転座 / 電離放射線 / CRISPR-Cas9 / 放射線感受性 / 責任遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
電離放射線はDNA二本鎖切断を介して線量依存的な染色体転座の増加を引き起こすが、転座が生じる分子機構の全体像は不明である。 本研究では、正常ヒト集団の自然に生じる染色体転座頻度、および放射線によって誘導される染色体転座頻度の基礎データを得るため、インフォームドコンセントを得た若い健常人の末梢血リンパ球を用い、放射線照射前の染色体転座頻度および放射線照射により誘発された転座頻度の解析により分散を解析している。 並行して、培養細胞を用いた染色体転座の分子機構解析を試みている。我々が報告したCRISPR-Cas9を用いたt(11;14)に加え、同様な方法で新たにt(11;22), t(5;6)転座誘導系を作成した。これらを培養細胞に発現させ、誘導された特異的な染色体転座頻度をリアルタイムPCRによりモニターしている。使用する細胞は、DNA二本鎖切断(DSB)修復シグナル・ゲノム不安定性、放射線感受性を修飾する責任遺伝子、代謝やレドックス制御シグナル分子について、特異的阻害剤処理やレトロウイルスshRNA発現ベクターによる系統的なノックダウンを行い、これらの処理が上記転座誘導系導入により生じる転座頻度に与える影響を解析している。加えて、ヒト集団に一定割合で存在することが知られているATMなどのDSB修復シグナルの既知遺伝子異常のヘテロ接合性が、染色体異常頻度に影響を与える影響を解析するため、ゲノム編集を用いた特定遺伝子のヘテロ接合性の導入系を構築中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常人集団における自然/放射線誘発線染色体転座頻度の解析については、60人分全ての試料について非照射・0.2,1Gy照射検体のFISH標本を作製してMetaferシステムによる5000メタフェーズ以上の画像取り込みを完了し、現在染色体異常頻度解析を進めている。 CRISPR-Cas9によるt(11;22), t(5;6)転座誘導系は作成終了し、培養細胞に導入して染色体転座が誘導されることを確認済である。 またshRNA発現ベクターの構築と培養細胞での遺伝子発現の抑制も確認が済んでおり、転座誘導ベクターによる転座頻度解析のフェーズに移行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書の内容に従い、順次解析を進める。
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Causes of Carryover |
既存の試薬を用いて研究遂行が可能であったため、次年度使用額が生じた。 今年度も研究計画に従い、助成金を計画的に使用する予定である。
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[Journal Article] Chromosomal translocation t(11;14) and p53 deletion induced by the CRISPR/Cas9 system in normal B cell-derived iPS cells.2021
Author(s)
Azami Y, Naohiro Tsuyama N, Abe Y, Sugai-Takahashi M, Kudo K, Ota A, Sivasundaram K, Muramatsu M, Shigemura T, Sasatani M, Hashimoto Y, Saji S, Kamiya K, Hanamura I, Ikezoe T, Onodera M, Sakai A.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 11
Pages: 5216-5228
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Study for exploring myeloma-initiating cell using normal B cell-derived iPS cells.2021
Author(s)
Yusuke Azami, Naohiro Tsuyama, Yu Abe, Misaki Sugai-Takahashi, Ken-ichi Kudo, Miwa Fukami, Akinobu Ota, Karnan Sivasundaram, Moe Muramatsu, Tomonari Shigemura, Megumi Sasatani, Yuko Hashimoto, Shigehira Saji, Kenji Kamiya, Ichiro Hanamura, Takayuki Ikezoe, Masafumi Onodera, Akira Sakai
Organizer
第83回日本血液学会学術集会