2021 Fiscal Year Research-status Report
重粒子線スキャニング照射のための3次元ゲル線量計の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
21K07696
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
五東 弘昭 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80635235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草野 陽介 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (40619665)
蓑原 伸一 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (60239332)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲル線量計 / 重粒子線 / 放射線治療 / 3次元線量分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、コロナ禍の影響もあり病院附属の重粒子線施設の利用などの出張が大幅に制限され、予定されていた実験および学会発表の多くを行うことができなかった。しかしながら、2021年12月4日には第10回 3Dゲル線量計研究会をオンラインで開催したり、これまで行えていなかったより基礎的な研究を進めるなど代替手段によって研究を進展させた。
具体的には、これまでの研究で開発したミセルゲル線量計をもとにして、基礎的な特性を見る実験として、微視的な領域を光学顕微鏡により観測した。その実験の中でゲル線量計の組成や作成方法によって、ミセルゲル線量計の反応性や反応領域が変化することを見出した。また、その結果をシミュレーションにより確認している。さらに、計画していた持ち運び可能で波長変更が可能な光学CTの発注を行うなど、次年度以降に向けた実験の準備を行った。
以上のようにコロナ禍の影響もありつつも基礎的な実験、調査、準備などにより今後に向けた有望なヒントと結果が得られた。引き続き、人体という複雑な不均質媒体の線量分布評価と治療計画への適用及び、4次元放射線治療の線量評価を行えるように、組成検討、シミュレーションによる考察、光学CTによる読み取り方法の工夫などを行う。今後はコロナ禍の影響も少なくなり実験や出張などが制限されずに行えることを見込んでおり、本年度に得られた基礎的な知見をもとにして共同研究者と共に臨床応用を目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに観測していなかった微視的な領域を光学顕微鏡により観測することに成功した。また、ゲル線量計の組成検討や作成方法や手順により、微視的な観測や発色強度にも影響があることを発見した。この知見を生かして、ゲル線量計の臨床応用を目指していけるものと考えている。 一方、コロナ禍により学内外の施設の利用が大幅に制限され、実験やディスカッションが十分に実施できなかった。また、世界的な半導体不足の影響もあり、光学CTに搭載予定であったカメラの納期が次年度にずれ込むなどの影響があった。従って総合的に見るとやや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したミセルゲル線量計に関して、組成最適化の他、作製手順など、まだ改良の余地が多分に残されていることがわかったので、それらに関する実験を引き続き行う。また、初年度に十分できなかった、より有望な色素や組成の探索も引き続き行う。 また、光学CTによる3次元評価に関してもゲル化剤とプローブ波長の最適な組合せや遅れているデータ読み取り手法、および3次元解析手法の構築を引き行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学内外の施設の利用が大幅に制限され、実験やディスカッションが十分に実施できなかった。また、世界的な半導体不足の影響もあり、光学CTに搭載予定であったカメラの納期が次年度にずれ込むなどの影響があった。
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Research Products
(3 results)