2023 Fiscal Year Research-status Report
キレーター含有糖ユニットで修飾した抗体の標識反応と評価
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21K07714
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
破入 正行 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (80435552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 真盛 公益財団法人野口研究所, 研究部, 室長 (40271506)
謝 琳 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (30623558)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 抗体標識 / 位置特異的標識 / PETイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
放射性核種と抗体との錯形成を行うには、放射性金属捕捉部位であるキレーターをLysやCysの側鎖へ導入する方法が一般的である。しかし、抗体のどの位置にキ レーターが導入されたかを確認するには非常に困難であり、またキレーターをもつ抗体の品質にバラツキが生じることも予想できる。そこで位置特異的にキレー ターを導入する部位としてAsn側鎖に付加している糖鎖に注目した。今年度も昨年度に続きランダムにキレーターを導入した抗体と糖鎖部分を糖加水分解酵素に よって除去した抗体へランダムにキレーターを導入した抗体を標識した化合物のイメージング、アジド基を有する糖鎖の合成及び抗体への導入反応を検討した。 キレーターはDFOを用い、放射性核種としてZr-89を使用した。抗体はパニツムマブ、がん細胞としてヒト大腸がん由来DLD-1を藩種したマウスを用い たPETイメージングを行なった。89Zr非加水分解パニツムマブ(1)および 89Zr糖鎖部分的加水分解パニツムマブ(2)の放射化学的収率は72.9 ± 2.3 %および62.1 ± 9.9 %であった。薬剤を尾静脈から注射した7日後のPET撮像から解析したDLD-1細胞への集積能は1が8.6±1.0 %ID/g、2が12.5±1.1 %ID/gであった。また肝臓への集積能は1が5.5±0.7 %ID/g、2が6.3±0.8 %ID/gであった。抗体のN-結合糖鎖部位の加水分解体は薬物動態の変化が生じ、がん細胞への集積能が向上した。抗体に導入するオキサゾリン糖鎖の合成は7工程で調製し、糖加水分解酵素であるENGaseを用いて部分的糖鎖加水分解パニツムマブへ導入した。SDS-PAGEを用いて導入効率を確認後、イオンクロマトグラフィーで精製を行い、中程度の収率で得た。次いでクリック反応を用いてパニツムマブ中のアジド基にDOTA誘導体を導入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
放射性金属核種の製造が予定通り供給できなかったため、目的化合物である糖鎖にキレーターをもつパニツムマブの動物実験に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
糖鎖にキレーターをもつパニツムマブの動物実験を検討し、今までの結果を総合的にまとめる。
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Causes of Carryover |
実験結果から動物実験の追加が必要となった。そのため追加の実験を行うための消耗品費として計上する。
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