2021 Fiscal Year Research-status Report
治療抵抗性致死的不整脈に対する定位放射線治療の研究
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21K07725
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川村 麻里子 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80732685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
因田 恭也 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10359747)
駒田 智大 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80718354)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 定位放射線治療 / 心室性頻拍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は海外での治療実績が既に複数報告される、カテーテルアブレーションでの治癒が困難なVT患者に対する定位放射線治療技術を用いたアブレーションを国内で施行可能な方法で実現することである。よって、本年度は主に、海外での治療実績の情報収集を行った。カテーテルアブレーション治療困難症例に対して、放射線治療装置を用いた非侵襲的なアブレーション治療はまだ日の浅い開発中の治療法ではあるが、対象が他の治療方法がなく、更に致死的な疾患であることから、世界中で臨床試験やoff protocolでの治療が行われている。論文化されたものだけでなく、論文化はされていないデータも複数存在し、それらのデータを世界中から集め、精査を行った。また、本邦においても本研究への関心は高く、学会等でも取り上げられていることからそれらに出席し、最新の知見を得るべく、情報収集を行った。国内外からの複数の報告より、方法論はかなり固まってきたことから、本邦での実現に向けて、高い質を保った臨床試験を行うべく、現在、プロトコル作成中である。また、先行施設とのweb会議を介して具体的な症例についての情報も収集している。更に、現在報告される重篤な有害事象は2例でいずれも消化管穿孔(食道1例、胃1例)に伴う死亡であることから、胸部への定位放射線治療を行った患者のデータを用いた治療計画検証も計画中であり、その為に必要な準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
照射ターゲットの可視化に向けて、不整脈器質の定量化を試みる予定であったが、まだ出来ていない。しかし、その一方で、心筋梗塞病巣の可視化は既存の報告より可能であり、海外での複数の照射報告が続々と出てきていることから、ターゲット決定の方法を見直しているところである。既報の方法をそのまま本邦で用いること自体は技術的に可能である可能性が高く、現在は先行施設との連携を主軸にターゲット決定を行う方向に変更する予定であり、元の予定からは少し遅れている。コロナ禍で予定していた海外の先行施設への施設見学はできていないものの、web会議での情報交換はできており、引き続き、研究を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、特定臨床研究として治療を行うべく、プロトコルを作成中である。実症例に置けるターゲッティングに際しては先行施設と密に連携して行う予定ではあるが、プロトコル作成と平行し、心筋の様々な箇所が不整脈器質となり得ることを想定し、各部位における仮想プランの作成、検証を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍にて予定していた情報収集のための出張が一部できず、旅費が持ち越しとなった。少し国内外への出張の目処が立ってきたため、次年度に持ち越し、情報収集を行う予定である。
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