2021 Fiscal Year Research-status Report
4D Flow MRIによる大動脈の流体力学的評価:高血圧が与える影響の解明
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21K07733
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
末吉 英純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (40380894)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 4D / Flow analysis / MRI / 高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究は順調に進行しており、論文も一遍完成させることができた。さらに研究を進めていく予定である。 研究論文の内容は以下である。
本研究の目的は、四次元フローMRIを用いて駆出率(EF)の異なる群間で胸部大動脈血行動態パラメータの強度分布に有意差があるかどうかを調べ、各パラメータの関係を検討することである。EF60%以上と30%未満の各13名、計26名の患者に心臓四次元フローMRIを施行(EF60%以上:平均年齢54±11.6歳、EF30%未満:平均年齢49.2±17.2歳)した。胸部大動脈を近位・遠位上行大動脈(AAo),大動脈弓,近位・遠位下行大動脈に分け,さらに各部を前壁,後壁,小湾曲部,大湾曲部に分割した。壁せん断応力(WSS),エネルギー損失(EL),渦度(Vort)(血行力学的パラメータ)の強度分布とこれらの分布間の一致率を解析したところ,ELとVortの強度分布間の一致率は高かった.遠位AAoのELとVortの強度分布のみが群間で有意に異なっていた(P < 0.001)。EF>60%群では、これらの強度分布はAAoの大湾曲部で高い値を示したが、EF<30%群ではAAoの小湾曲部で高い値が見られた。 WSSの強度分布には群間差は認められなかったが、EF<30%群ではAAo遠位部の小湾曲部でWSS強度分布が高い値を示す傾向があり、大湾曲部のWSS強度分布値は弓部から下行大動脈近位部にかけて徐々に増加する傾向があった。EF群間で唯一有意差が認められたのはAAo遠位部のELとVortの強度分布であった。このことは、動脈硬化の分布がEFに依存する可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進行しており、論文も一遍完成させることができた。具体的的には四次元フローMRIを用いて駆出率(EF)の異なる群間で胸部大動脈血行動態パラメータの強度分布に有意差があるかどうかを調べ、各パラメータの関係を検討し報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例を増やし検討する。肺高血圧などについても検討を行う。
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Causes of Carryover |
4D解析のソフトウェアおよび解析PCはまだ購入することがなく研究可能であったため、差額が生じた。今後、現在使用しているソフトウェアのライセンスが終了し、新たなソフトウェアが必要であるため購入予定である。またその際に新たな解析PCが必要なため購入予定である。
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Research Products
(1 results)