2021 Fiscal Year Research-status Report
マスト細胞の酸化還元応答に関与する遺伝子群の網羅的解析と治療・創薬開発への応用
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21K07747
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺田 知新 岐阜大学, 医学部, 教授 (30345780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部附属病院, 教授 (00366329)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マスト細胞 / 酸化還元応答 / 加重遺伝子共発現ネットワーク分析 / GO解析 / pathway解析 / hub genes |
Outline of Annual Research Achievements |
Gene Expression Omnibus (GEO)のデータベース(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gds)からマイクロアレイデータをダウンロードした。このマイクロアレイは、マウスBMMC(骨髄由来培養マスト細胞)を無刺激、DNA-IgEで一晩感作したBMMCおよびDNA-IgEで一晩感作したのちDNA-BSAで2時間刺激したBMMCのサンプルの遺伝子発現プロファイルが抽出されている。マイクロアレイ用の解析ソフトを用いて、マイクロアレイデータの前処理として、取得したrawデータのシグナル強度を正規化した後、発現変動遺伝子のスクリーニングを行った。また、加重遺伝子共発現ネットワーク分析(WGCNA)を用いて、発現パターンの類似性を基準として遺伝子間ネットワークを抽出し、10のモジュールを同定した。各モジュールの有意性(module significance:MS)を計算し、上位のMS値を持つ3つのモジュールについて無刺激群とDNA-IgE感作群、DNA-IgE感作群とDNA-IgE感作+DNA-BSA刺激群で固有遺伝子発現を比較し、各々統計学的に有意差が認められた。これらのモジュールの中に創薬のターゲットとなる標的遺伝子(群)が含まれている可能性が高いと考えられた。このため、CytoscapeのアプリのひとつであるClueGOをCytoscapeに実装して、上位3つのモジュールの遺伝子について「biological process」、「molecular function」、「cellular component」のカテゴリに関するGO解析を行った。重要度が高いと考えられるいくつかのGO termおよび遺伝子群を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行等によると思われる外国からの試薬の手配の大幅な遅れがあり、マスト細胞のアルブミンの酸化還元比に与える影響等を十分に検討できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
上位のMS値を持つ3つのモジュールのなかにどのようなpathwayに関わる遺伝子(遺伝子群)が含まれているかを明らかにするためにpathway解析を行う。PPIネットワークについてMCODEプログラムを用いて3つのモジュールを詳細に検討する。さらにhub geneの同定を行う。また、前年度延期を余儀なくされた実験を順次行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行等によると思われる外国からの試薬の手配等の大幅な遅れがあり、延期せざるを得ない実験があった。次年度使用額については、延期した実験に使用する試薬の購入に充てる予定である。
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