2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K07766
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 知彦 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (70587005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 力 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50195731)
金崎 里香 弘前大学, 医学研究科, 助教 (60722882)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 赤血球造血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ダウン症関連急性巨核芽球性白血病で遺伝子変異が認められた、転写因子IRX1の赤血球分化における機能を明らかにすることである。IRX1と血液疾患・造血との関連は知られていないが、私たちは数年前よりその機能解析を行っており、既にIRX1が赤血球分化に関連していることを強く示唆するデータを得ている。次の段階として、下記を目指して現在研究を行っている。①IRX1が赤血球分化に関わる転写因子であることをこれまでと異なる系でも証明すること。②IRX1が赤血球分化のどの段階に必要な転写因子であるかを明らかにすること。③IRX1の標的遺伝子をはじめとした下流の伝達機構を解明すること。本年度の進捗状況は以下のとおりである。 ①について:IRX1を標的としたshRNA配列が組み込まれたレンチウイルスベクタープラスミド:pLKO.1-puro-CMV-tGFPを作成した。これを基に作成したレンチウイルスベクターをヒト赤血球前駆細胞株、HUDEP細胞へ感染させ赤血球分化が障害されることを証明しようと考えていたが、そもそも感染させる前のHUDEP細胞の赤血球分化が観察されず、現在頓挫している。②について:①で使用したレンチウイルスベクターをCD34陽性細胞へ感染させ、赤血球分化を促進させるサイトカイン、Erythrocyte Expansion Supplement (STEM CELL社) を添加したメディウムで培養し、赤血球分化を促してFlow Cytometryで解析している。③について:IRX1は「転写因子」と考えられているため、その下流の伝達機構を調べるため、IRX1を過剰発現させた細胞株を用いてChIP-Seqを行い解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①に関して:先にも記載した通り、ヒト赤血球前駆細胞株、HUDEP細胞を使用して赤血球分化の観察をする予定であったが、遺伝子発現を落とす前のHUDEP細胞においても期待された赤血球系への分化がほとんど見られていない。 ③に関して:抗IRX1抗体を用いてChIP解析を行ったが、DNA断片を回収することができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
①に関して:wild HUDEP細胞に添加するサイトカインを調整して、赤血球への分化を確認する。別の手段として、HUDEP細胞にはサブタイプの異なるものが存在するため、異なる種類のHUDEPを新たに入手して同様の赤血球分化を試すことも考えている。 ②に関して:これまでの実験において、Flow Cytometryの結果にバラつきが非常に大きいことが問題点としてあるため、繰り返し解析を行って有意差をもって赤血球分化が障害されることを証明することを目指す。 ③に関して:抗IRX1抗体を用いる方法ではDNA断片を回収することができなかったため、3×FLAGモチーフ部を作成済みのpRetroX-TetOne-IRX1ベクターへ組み込み、3×FLAG-IRX1発現ベクターを作製する。このベクターをDS-AMKL細胞株KPAM1へ導入した後に、抗FLAG抗体でChIPを行いシーケンス、マッピングを行う。
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Causes of Carryover |
いくつかの実験の進捗が滞っていたことに加えて、残っていた物品を使用したこと、今年度は発表の機会がなく旅費もかからなかったことから次年度使用額が生じた。 特に費用がかかると想定されるものとして、CD34陽性細胞(1回の実験で1vial使用:99,000円/vial)、赤血球分化に使用するサイトカインカクテル;Erythrocyte Expansion Supplement(STEM CELL社) 147,000円/vialが挙げられる。
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