2023 Fiscal Year Annual Research Report
ChIP-Seqを用いた若年性骨髄単球性白血病の網羅的ヒストン修飾解析
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21K07771
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村松 秀城 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00572570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 友介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00725533)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 若年性骨髄単球性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年性骨髄単球性白血病(juvenile myelomonocytic leukemia; JMML)は、主に5歳未満の小児に発症する予後不良な造血器腫瘍である。唯一の根治療法は同種造血細胞移植であるが、一部の症例は無治療で長期生存することも知られており、予後を正確に予測するバイオマーカーに基づく最適医療(PrecisionMedicine)の実現が求められている。我々は、これまでの研究で網羅的遺伝子解析の技術を用いて遺伝子変異/遺伝子発現/遺伝子メチル化の各プロファイリングを行い、多くのJMMLの予後予測因子を明らかにした。 本研究では、クロマチン免疫沈降シーケンス(ChIP-Seq)を用いてヒストン修飾の網羅的プロファイリングを行い、JMMLの疾患特異的なエンハンサー領域の同定およびこれまでに得られている網羅的ゲノム情報との統合解析を通じて、分子学的発症メカニズムの全体像を明らかにすることを目標としている。これまでに、24例のJMML臨床検体を用いてChIP-Seq解析を完了し、JMML特異的にH3K27acのヒストンマークが濃縮しているエンハンサー領域の候補を抽出した。さらに、2021年度にはSingle-cell RNA-seqの解析手法を確立し、少数例ではあるがJMML臨床検体での解析を実施した。2022年度には、さらにsingle-cell RNA-seqの解析検体を増やした。2023年度には、Error-corrected sequencingの技術も立ち上げ、対象症例の経時的検体を用いた遺伝子変異の変化の評価も追加して行った。2023年度末の現在、すでに完了している他のゲノム解析結果(DNAシーケンス、RNAシーケンス、遺伝子メチル化解析)との統合解析を遂行中である。
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