2023 Fiscal Year Research-status Report
網羅的代謝物解析によるSGA児の新たな発達予測因子の探求
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21K07774
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
関口 和人 大分大学, 医学部, 客員研究員 (40437926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 知己 大分大学, 医学部, 准教授 (80264349)
井原 健二 大分大学, 医学部, 教授 (80294932)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
SGA(Small for gestational age)での出生は乳児期以降の神経発達遅滞・行動発達障害の危険因子とされ、実臨床では児の慎重な発達観察を要する。SGA児の胎内栄養環境と神経発達障害との関連が示唆されるが、その機序はいまだ十分に解明できていない。 申請者は自らの新生児期飢餓対応研究の成果や診療経験から、SGA児が胎内で特異的な代謝特性を示し、例えば神経伝達物質関連アミノ酸群代謝経路やミエリン鞘の異化亢進による脂肪酸代謝経路の変容を伴い、将来の神経発達遅滞・行動障害に至ると仮説した。 本研究の目標はSGA児の代謝物・代謝パスウェイ特性を特に神経関連代謝物に着目して究明すること、さらに、その特性と乳児発達行動指標の相関を評価し、最終的に新たなSGA児の神経発達予後因子を確立することである。研究1年目には患者エントリーを行った。研究2年目には微量(10μL)の臍帯血および新生児血を用いたガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)計をによる網羅的代謝物検出を実施した。研究3年目においては、研究対象となったSGA児について、乳児期の身体発育の観察を行った。最終解析を研究3年目に実施することができなかったことから、研究期間を1年延長することとした。最終年度においてはGC-MSデータの再現性確認や、SGA・非SGAやキャッチアップ・非キャッチアップ群で代謝物分布に差異が認められないかどうかを最終評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
発育発達観察に時間を要した。SGA児の多くが乳児期に身体発育のキャッチアップを認めたことから、群間比較する臨床パラメーターの再検討が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな臨床パラメーターにて代謝物分布の群間比較を行う、解析条件を均一にしてGC-MS解析を再実施して代謝物検出精度の向上を行うなどして研究目標の到達をめざしたい。
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Causes of Carryover |
症例の発育観察に時間を要し、本年度中に最終解析を実施できなかったため、次年度使用額が発生した。次年度においては代謝物の最終解析及び、論文化費用等にに研究費を使用する予定である
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